エドマンド・ウィルソン批評集 2
文学
「エドマンド・ウィルソン(1895-1972)について考える時、われわれは何よりもまずこの批評家の馬力に圧倒される。いや、むしろ、それは怪力と呼ぶにふさわしい。彼は信じ難い量の読書をこなし、世界の文学について該博な知識を持っていた。しかも、ジェイムズやディケンズを論じるとなったら、彼らの膨大な作品をくまなく読み、伝記的資料を渉猟し、それらをすべて頭の中に蓄えた後きれいに整理して、作家の全体像を見事に提示することができた」(佐々木徹「編・訳者あとがき」より)。
死の床に至るまでペンを手放さなかった不撓不屈のジャーナリスト、ヨーロッパのあらゆる言葉に通じ、文学の中に「人間」のかけがえのない生の姿を見出したウィルソン。ジェイムズの〈曖昧性〉、フローベールの〈政治〉、ディケンズの〈傷〉……。思いもかけなかったテーマのもとで、作家たちの生涯とその文学的な営為が一つに重なり合う。ここには、いまだかつて誰も見たことがなかったような豊穣な世界文学が存在している。社会・文明について縦横に論じた『批評集1』に引き続き、ウィルソンの本領とでもいうべき世界文学論を一冊に集成。
「エドマンド・ウィルソン批評集 2」の著訳者:
- エドマンド・ウィルソン
- Edmund Wilson
- 1895年ニュージャージー州に生まれる。1916年、プリンストン大学卒業。スコット・フィッツジェラルドと同期。第一次世界大戦従軍後、雑誌『ヴァニティ・フェア』『ニュー・リパブリック』の編集に参加。その後『ニューヨーカー』誌の書評主幹をつとめる。文学、紀行、美術、社会、政治と多岐にわたるテーマで、エッセイ、書評、ルポルタージュなどを精力的に執筆。20世紀アメリカ批評界の中心人物となる。自らも小説・詩・戯曲作品を発表した。1972年歿。邦訳された主要著作として『アクセルの城』(1931、ちくま学芸文庫2000)、『フィンランド駅へ』(1940、全2巻・みすず書房1999)、『森林インディアン イロクォイ族の戦い』(1960、思索社1991)、『愛国の血糊――南北戦争の記録とアメリカの精神』(1962、研究社出版1998)、『死海写本――発見と論争1947-1969』(1969、新装版・みすず書房1995)などがある。また作家ナボコフとの往復書簡でも名高い(『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集:1940-1971』作品社2004)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 中村紘一
- なかむら・こういち
- 1942年、京都に生まれる。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授(アメリカ文学)。主要な著作に、著書として『メルヴィルの語り手たち』(臨川書店)、訳書としてエドマンド・ウィルソン『愛国の血糊』(研究社)、『ナポコフ=ウィルソン往復書簡集』(共訳、作品社)などがある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 佐々木徹
- ささき・とおる
- 1956年、大阪に生まれる。京都大学、ニューヨーク大学に学ぶ。現在、京都大学大学院文学研究科助教授(英文学)。主要な著作に、訳書としてウィルキー・コリンズ『法と淑女』(臨川書店)、マイケル・スレイター『ディケンズの遺産』(原書房)、校訂書としてトマス・ハーディ『エセルバータの手』(エヴリマン・ペイパーバック)、などがある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 若島正
- わかしま・ただし
- 1952年、京都に生まれる。京都大学理学部卒業。同大学院文学研究科修士課程修了。現在京都大学大学院文学研究科教授(英米文学)。著書として『乱視読者の英米短篇講義』(研究社、読売文学賞受賞)、訳書としてウラジーミル・ナボコフ『ディフェンス』(河出書房新社)、リチャード・パワーズ『ガラテア2.2』(みすず書房)などがある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
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「エドマンド・ウィルソン批評集 2」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/344頁
- 定価 3,780円(本体3,600円)
- ISBN 4-622-07141-X C1098
- 2005年9月16日発行