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リンさんの小さな子

LA PETITE FILLE DE MONSIEUR LINH


戦禍の故国を遠く離れて、異国の港町に難民としてたどり着いた老人リンさんは、鞄一つをもち、生後まもない赤ん坊を抱いていた。まったく言葉の通じないこの町の公園で、リンさんが知り合ったのは、妻を亡くしたばかりの中年の大男バルクだった。ところが…。現代世界のいたるところで起きているに違いない悲劇をバックにして、言語を越えたコミュニケーションと、友情と共感のドラマは、胸を締め付けるラストまで、一切の無駄を削ぎ落とした筆致で進んでゆく。ベストワン小説『灰色の魂』の作者が、多くの読者の期待にこたえて放つ傑作中篇。フランスと同時に刊行される最新作。


「リンさんの小さな子」の著訳者:

フィリップ・クローデル
Philippe Claudel
1962年フランスのロレーヌ地方に生まれる。作家・脚本家。小説『忘却のムーズ川』(1999)でデビュー、その後も『私は捨てる』(2000年度フランス・テレビジョン賞)『鍵束の音』(2002)など着実に作品を発表してきた。2003年に『灰色の魂』によって三つの賞を受賞、いまや大いに注目を浴びている。ナンシー大学で文学と文化人類学を教えながら、故郷の小さな町で執筆を続ける。トライアスロン、登山、釣りを好む。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高橋啓
たかはし・けい
1953年北海道に生まれる。翻訳家。訳書 シムノン『仕立て屋の恋』(1992、 早川文庫)、ブーヴィエ『日本の原像を求めて』、デナンクス『死は誰も忘れない』(1994、 1995、草思社)、キニャール『アルブキウス』『音楽への憎しみ』『さまよえる影』(1995、 1997、 2003、青土社)、ホールデン『グレアム・ヤング毒殺日記』、セリー『名人と蠍』(1997、飛鳥新社)、『テオの旅』『哲学のおやつ』(共訳 2002、 2003、NHK出版)、『灰色の魂』(2004、みすず書房)他。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

編集者からひとこと

今年もフランクフルト国際ブックフェアに参加した。世界最大かつ歴史ある国際ブックフェアだ。ドイツの出版社が占めるホールは、地元の一般来場客もつめかけ大混雑だが、メインはやはり、翻訳権をめぐって世界各国の出版関係者がくり広げるさまざまな活動だろう。 ...続きを読む »

書評情報

富士眞奈美(女優)
<2009年早春の号:明日の友>

この本の関連書


「リンさんの小さな子」の画像:

リンさんの小さな子

「リンさんの小さな子」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/176頁
定価 1,890円(本体1,800円)
ISBN 4-622-07164-9 C0097
2005年9月16日発行

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