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中年記


昭和19年10月に、著者は東京文理科大学英語学英文学科の学生になった。入学早々に主任教授福原麟太郎先生の個人インタヴューがあって、著者はこう質問する――「文学というのがよくわかりません。文学って何ですか」
この後、〈文学とは何か〉が著者の一貫したテーマとなる。それは作家や作品ではなく、〈読者〉が中心をなす研究であった。やがて著者は大学教師と並行して、英語・英文学雑誌の編集長となる。はじめは返品の山に頭をかかえるが、名企画を出して挽回。この辺の試行錯誤が『エディターシップ』にも繋がってゆく。他にも、留学を望まずや三人会の愉しみ、「英語青年」大学、書き下ろしの方法など、著者の知的創造の舞台裏と刺戟的な人生を知る上で恰好のエッセーを収める。本書は、反時代的な姿勢を貫きつつ、オリジナルな文学理論を構想して、中年をみごとに生きた〈研究者=モラリスト〉の自分史である。


「中年記」の著訳者:

外山滋比古
とやま・しげひこ
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長、ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、56年東京教育大学助教授、68年お茶の水女子大学教授。89年同大学名誉教授、同じく昭和女子大学教授。99年同大学退職。62年文学博士。『修辞的残像』(61年)、『近代読者論』(64年)により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』(72年)でその実践を示す。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』(78年)から『古典論』(2001年)へ展開。これとは別に、日本語について『日本語の論理』(73年)、俳句に関して『省略の文学』(72年)、『俳句論』(98年)などを発表。同時に折にふれてエッセイを書く。その後、『少年記』『老楽力』を出す。2002年より『外山滋比古著作集』(全8巻)をみすず書房より刊行、2003年完結。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

戦争と英語/逆風/留学を望まず/「文学って何ですか」/ゲーベンデ・リーベ/幻滅/三人会/雑誌編集/読者/「英語青年」大学/同人雑誌/エディターシップ/修辞的残像/読者論の視点/知的創造/虚言人/古典/ことわざ/文章/テーマ・ノート/書き下ろし/道徳塗説/解釈力/言葉、ことば/あとがき

この本の関連書


「中年記」の画像:

中年記

「中年記」の書籍情報:

四六変型判 タテ188mm×ヨコ118mm/192頁
定価 2,940円(本体2,800円)
ISBN 978-4-622-07281-2 C0095
2007年1月23日発行

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