みすず書房

贈与の文化史

16世紀フランスにおける

THE GIFT IN SIXTEENTH-CENTURY FRANCE

判型 四六判
頁数 328頁
定価 4,180円 (本体:3,800円)
ISBN 978-4-622-07307-9
Cコード C1022
発行日 2007年7月10日
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贈与の文化史

「われわれにとっては、本書それ自体がまさに完璧な贈り物といえよう。16世紀フランスの社会生活についての、このすばらしい研究は、歴史人類学のお手本である。」(メアリー・ダグラス)
『帰ってきたマルタン・ゲール』『愚者の王国 異端の都市』『境界を生きた女たち』など、近世ヨーロッパの社会史・文化史の分野で輝かしい成果を挙げてきた著者による新著のテーマは「贈与」である。
古くて新しい観念「贈与」をキーワードとして、デーヴィスは古文書の世界に、あるいは文学・神学・法学などのテクストの世界に、さらには、さまざまな図像の世界に入りこんでいく。
長年にわたる関心と研究の熟成を経たうえで、家族・政治・宗教といった領域における、権力関係や互酬性をめぐる争いをみごとに跡づけ、モースからバタイユを通ってデリダにいたる「贈与」論に、歴史学からエレガントに応答してみせた本書には、大いなる魅力がそなわっている。

目次

序文
1 贈与の精神
2 贈与の慣行と公共の時間
3 贈与の慣行と社会的意味
4 贈ることと売ること
5 失敗した贈与
6 贈与、賄賂、そして国王たち
7 贈与と神々
結論