人間機械論【新装版】
人間の人間的な利用
THE HUMAN USE OF HUMAN BEINGS
本書は、サイバネティックスの父、ノーパート・ウィーナーが一般知識層向けに書いた『人間機械論』の改訂第二版である。
1948年、ウィーナーが自ら創始し、命名したこの新しい学問分野を著書『サイバネティックス』によって公にしたとき、その反響は専門分野だけでなく広く社会一般にも及び、その核心をなす根本思想を数式をまじえずに平明に解説して欲しいという一般からの要望がウィーナーに集中し、これに応えて書かれたのが本書第一版であった。そこではサイバネティックスの原理がやさしい言葉やありふれた実例を通して語られながら、人間社会というものが、それがもつメッセージと通信機関の研究を通じてはじめて理解できるものであること、さらにこれらのメッセージや通信機関が発達するにつれて、人から機械へ、機械から人へ、また機械と機械との間のメッセージがますます大きな役割を演ずることが示されている。
改訂にあたって著者は、その後のサイバネティックスの思想の普及を考慮して前著における多くの卑近な例の数を減らし、よl)思想的・哲学的な考察に重きをおき、また初版に含まれていたいくつかの欠陥と首尾一貫していなかった点を改めている。
「人間機械論【新装版】」の著訳者:
- ノーバート・ウィーナー
- Norbert Wiener
- ポーランドに生まれ、アメリカに渡ったユダヤ人の言語学者レオ・ウィーナーの長子として生れた。天才肌の父のもとで知能早熟児として出発した彼は、9歳でハイスクールに特別入学し14歳でハーヴァード大学に入学、18歳で数理論理学の論文で学位をとる。まもなくイギリスに渡り、ケンブリッジ大学でバートランド・ラッセルから数理哲学を学び、ついでゲッチンゲン大学にも学び、帰米して1919年マサチューセッツ工科大学講師、34年以後同大学の数学教授。30年頃から神経生理学者と共同研究に従事し、計算機械も生物における神経系も同じ構造をもつことを認めその数学的論理としてのサイバネティックスを創始する。1948年『サイバネティックス』(邦訳、岩波書店、1958)を著わして生物学、工学、社会学等広汎な分野に関連し、著者の視野の広さと鋭さを示す。著書はほかに『サイバネティックスはいかにして生まれたか』(みすず書房、1956)『科学と神』(同、1965)『神童から俗人へ』(同、1983)『発明』(同、1994)などがある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 鎮目恭夫
- しずめ・やすお
- 1925年東京に生まれる。1947年東京大学理学部物理学科卒業。科学思想史専攻、科学評論家。著書『性科学論』『自我と宇宙』『科学と読書』『人間にとって自分とは何か』(みすず書房、1975、1982、1986、1999)。訳書 シュレーディンガー『生命とは何か』(岩波新書、1951、1986)バナール『歴史における科学』(1955、1956改訂版)ウィーナー『サイバネティックスはいかにして生まれたか』(1956)同『科学と神』(1965)バナール『人間の拡張』(共訳、1976)メダウォー『若き科学者へ』(1981)ウィーナー『神童から俗人へ』(1983)ダイソン『多様化世界』(1990)、ウィーナー『発明』(1994、以上みすず書房)ほか。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 池原止戈夫
- いけはら・しかお
- 1904年大阪に生れる。1928年マサチューセッツ工科大学卒業。理学博士。東京工業大学名誉教授。1984年歿。著書『初等微分方程式』(1958)『応用数学講義』(1964)『常微分方程式』(以上学術図書、1971)ほか。訳書 ウィーナー『サイバネティックス』(共訳、岩波書店、1962)ほか。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
目次
訳者まえがき
まえがき――偶然的宇宙という概念
I 歴史におけるサイバネティックス
II 進歩とエントロピー
III 固定制と学習・通信行動の二つのパターン
IV 言語の仕組みと歴史
V 通信文としての組織
VI 法律とコミュニケーション
VII コミュニケーション・機密・社会政策
VIII 知識人と科学者との役割
IX 第一次および第二次産業革命
X ある種の通信機械とその将来
XI 言語、かく乱、通信妨害
この本の関連書
「人間機械論【新装版】」の画像:
「人間機械論【新装版】」の書籍情報:
- B6判 タテ182mm×ヨコ128mm/224頁
- 定価 3,150円(本体3,000円)
- ISBN 978-4-622-07318-5 C1040
- 2007年6月20日発行
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