みすず書房

わが父ルノワール【新装版】

RENOIR

判型 四六判
頁数 466頁
定価 4,620円 (本体:4,200円)
ISBN 978-4-622-07355-0
Cコード C0071
発行日 2008年2月21日
備考 現在品切
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わが父ルノワール【新装版】

「著者ジャン・ルノワールは1894年9月15日にパリで生まれた。ルノワールの第二子である。「どん底」(1936)、「大いなる幻影」(1937)、「河」(1950)等かずかずの名作を残したこの高名な映画監督については今さら解説の用はあるまい。彼のファンならば、本書中の随所に、彼独特の巧妙な映画的手法が見事な効果をあげているのを見てとることが出来るだろう。注意深い読者なら、絵画と映画というように世界は異なるが同じくイメージを追ったこの芸術家父子の深い類似を見てとることも出来るだろう。だが、この美しい伝記のもっとも根本的な特質はそんなところにはない。著者が父ルノワールに捧げている無私と評したいような敬愛の念にある。」
(「訳者あとがき」より)
映画監督ジャン・ルノワールが描く、父である画家ルノワールの肖像。晩年の父との間に交わされた会話をもとに執筆された。幼少年時代・青年時代の父、当時のパリの風物、印象派の画家たちの鮮やかなプロフィール、幸福な家庭……心の中で育まれた、数々の思い出が結晶し、ルノワールの人と作品が生き生きと描かれる。

「私は彼の絵に烈しい讃嘆の念を抱いていた。」映画監督ジャン・ルノワールが描く、父=画家ルノワールの肖像。心の中に育まれた、数々の思い出が結晶する。

目次

1 1915年4月、あるバヴァリアの銃手が
2 少年時代については、父はじつにいい思い出を抱いていた。
3 曾祖父のフランソワは1845年に死に、祖父レオナールはパリにやって来て
4 ルノワールというこのパリの少年について話を進めるまえに、
5 私に少年時代の思い出を話しているとき、ルノワールは、
6 1848年2月22日、ルノワールは、学校へ行く途中、
7 ルノワールは、自分の気に入らぬことをすることが出来なかった。
8 ルノワールは、昼になると、仲間たちと街角の簡易食堂で飯をくうかわりに、
9 父はひどくはにかみ屋だった。
10 ある年齢に達した人間には誰にでも起こることだが、
11 テオドル・ルソー、ミレー、ディアズ、ドービニー、コローなどが、かつて
12 ラウル・リゴーのエピソードのせいで、私は1870年の〔普仏〕戦争を
13 ルノワールの言葉づかいや態度振舞いは、書く人次第でさまざまに
14 われわれの話には、ポール・デュラン=リュエルという名前は絶えず出たきた。
15 幸いにもモネがいた。モネの反抗ぶりは、
16 「きみにもわかるだろうが、昔のことをなつかしがっていろいろ喋るのは
17 ルノワールは、その生活の一瞬一瞬に、また、その胸で爽やかな大気を
18 ルノワールはいつも三等で旅行したが、これは
19 ルノワールは、何度か煙草の煙を吐き出しながら、
20 ウードン街からジラルドン街まではたいした距離ではない。
21 母が私をみごもっていた頃の話に戻ろう。
22 ルノワールは幼い子供に対して教育を加えようとするいっさいの
23 母には、ルノワールの実生活も、彼の絵と同じく本物でなければならぬことが、
24 父の生活が殉教者の生活と化したのは、
25 父の足は徐々にだが確実に強直を増してきて、
26 ヴォラールの肖像については、いろいろ長いいわれがあった。
27 40年のあいだ、ナイフやフォークや金属の杯に彫物をしてきた
28 父がいた頃のカーニュは、豊かな農夫たちが住むすばらしい村だった。
29 レ・コレットに落着いてしばらくしてから、

訳者あとがき 
人名索引