みすず書房

臨床瑣談 電子書籍あり

判型 四六判
頁数 168頁
定価 1,980円 (本体:1,800円)
ISBN 978-4-622-07416-8
Cコード C0047
発行日 2008年8月21日
電子書籍配信開始日 2013年4月1日
備考 現在品切
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臨床瑣談

「〈臨床瑣談〉とは、臨床経験で味わったちょっとした物語というほどの意味である。今のところ、主に精神科以外のことを書こうとしている」
本書は、精神科医としての長年の経験をとおして、専門非専門にかかわりなく、日本の医学や病院やその周辺について「これだけは伝えておきたい」という姿勢で書かれている。多方向からの視線ではあるが、病名を告知された患者側ができる有効なことは何かに主眼がある。

「現代は容赦なく病名を告知する時代である。告知の時代には、告知しただけの医師の覚悟も必要であり、また、告知された患者も茫然たる傍観者ではなく、積極的に何かを行ないたいだろう。患者もその家族、知己も、いつまでも手をつくねてドアの外で待つだけの存在では済むまい」

院内感染を防ぐには患者側はどうすればよいか。脳梗塞の昏睡患者を前にして家族にできることとは。さらにガンを持つ人の日々の過ごし方について、「丸山ワクチン」について——。その実用的な助言は、現代医療批判でもあり、自然回復力の大切さと有限性も視野に入れながら、医学の可能性と限界をくっきりと映しだしている。

目次

まえがき
虹の色と精神疾患分類のこと
院内感染に対する患者自衛策試案
昏睡からのサルヴェージ作業の試み
ガンを持つ友人知人への私的助言
SSM、通称丸山ワクチンについての私見
軽症ウイルス性脳炎について

書評情報

中村桂子(JT生命誌研究館館長)
毎日新聞2008年9月28日
佐藤幹夫(フリージャーナリスト)
東京新聞2008年9月14日
苅部直(東京大学教授)
朝日新聞2008年10月19日
小谷野敦(比較文学者)
中央公論2009年3月号
著者インタビュー
ニッケイ メディカル2010年4月号

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