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神秘主義と論理【新装版】

MISTICISM AND LOGIC AND OTHER ESSAYS


「形而上学、すなわち全体としての世界を思惟によって把握しようとする試みは、その発生の始めから、二つの全く相異なる人間的衝動の結合と闘争とによって、発展せしめられて来た。その一つは神秘主義の方向へ、他の一つは科学の方向へ、人間を押しやろうとするのである。……しかし、古来哲学者として最高級に位する人々は、科学と神秘主義との両方の必要を感じている。それというのも、この二つを調和させる試みこそは、彼らの全生涯そのものであったのだし、またそうすることによって、哲学をば――どこまで行っても不確実であるにもせよ――科学、宗教のいずれよりも偉大なものであると、人々に常に思わせておかなければならなかったからである。」(「神秘主義と論理」より)
イギリスの哲学者、ラッセル自選のエッセイ集。表題作「神秘主義と論理」をはじめとして、科学が提示する新しい世界像のなかで、人間はどのような信仰を構築しうるかを論じた「自由人の信仰」など、その明晰な哲学の全貌を収録する。


「神秘主義と論理【新装版】」の著訳者:

バートランド・ラッセル
Bertrand Russell
イギリスの哲学者。17世紀以来のイギリスの貴族ラッセル家に生れる。ケンブリッジ大学で数学・哲学を学んだ。1910-13年にはホワイトヘッドと共に画期的な著作『プリンキピア・マテマティカ』(3巻)を著わし論理学や数学基礎論に貢献した。第一次大戦が勃発するや平和運動に身を投じて母校の講師の職を追われ、1918年には4カ月半投獄される。以後社会評論や哲学の著述に専念し、ヴィトゲンシュタインとの相互影響のもとに論理実証主義の形成によって大きな影響を与えた。1950年哲学者として3度目のノーベル文学賞受賞。また原爆禁止運動の指導者のひとりとして99歳の生涯を閉じるまで活動を続けた。多数の著作のうち邦訳の主なものは『ラッセル著作集』(全4巻・別巻1、1959-60)のほか、『懐疑論集』(1963)『ラッセルは語る』(1964、以上みすず書房)『哲学入門』(1965、角川文庫)『西欧の知恵』(1968、社会思想社)『ラッセルの自叙伝』(全3巻、1968-73、理想社)『人生についての断章』(1979)『ドイツ社会主義』(1990)『ロシア共産主義』(1990)『権力』(1992、以上みすず書房)など。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
江森巳之助
えもり・みのすけ
1917年東京に生れる。1942年東京大学法学部卒業。元経団連国際部長、図書館長。著書『われらの社会学』(1948)。2001年歿。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

一 神秘主義と論理
I 推理と直観
II 統一と数多
III 時間
IV 善と悪
二 自由教育における科学の地位
三 自由人の信仰
四 数学の研究
五 数学と形而上学者たち
六 哲学における科学的方法について
七 物質の研究的諸要素
八 感官与件の物理学に対する関係
I 問題の提示
II 感官与件の諸性質
III センシビリア
IV 感官与件は物的である
V 「センシビリア」と「諸物」
VI 構成物対推論
VII 私的空間および諸パースペクティヴの空間
VIII 「諸物」および「諸センシビリア」のパースペクティヴ空間への配置
物質の定義
X 時間
XII 諸物および物質の持続
XII 錯覚、幻覚、ならびに夢
九 原因という概念について
十 直知による知識と記述による知識
訳者あとがき
索引

この本の関連書


「神秘主義と論理【新装版】」の画像:

神秘主義と論理【新装版】

「神秘主義と論理【新装版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/288頁
定価 3,465円(本体3,300円)
ISBN 978-4-622-07425-0 C0010
2008年9月19日発行

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