ロラン・バルトの遺産
MEMOIRE D’UNE AMITIE/LES DEUX ORIENTS DE ROLAND BARTHES/LE ROMAN DE ROLAND BARTHES
本書には、バルトをめぐる三つのテクストが収められている。エリック・マルティ「ある友情の思い出」、アントワーヌ・コンパニョン「ロラン・バルトの〈小説〉」そしてフィリップ・ロジェ「ふたつのオリエント」である。いずれもバルトの死から二十年以上がすぎて発表されたが、著者たちの全員が二十代でバルトと知り合い、若き友人となってその晩年を見まもった。
バルト研究の第一人者マルティは、師友との私的かつ知的な回想で初めてバルトの肉声と振舞を語り、コレージュ・ド・フランスで文学を講じるコンパニョンは、バルトによる〈小説〉の準備の軌跡を鮮やかに分析し、ロジェは、近東(ロティのトルコと、その系としてのモロッコ)と極東(日本)の二つのオリエント文化がバルトに与えたものを論じる。弟子=友人としてバルトから直接に受け取ったものを各々が照らしだす、最新にして最良のバルト論集。
「ロラン・バルトの遺産」の著訳者:
- エリック・マルティ
- Eric Marty
- 1955年生まれ。パリの第VII大学教授。著書『日々のエクリチュール――ジッドの「日記」』『恍惚の誓い――ルネ・シャールについて』『ルイ・アルチュセール 訴訟なき主体』『ジャン・ジュネ――追悼』『エルサレム短期滞在』など。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- アントワーヌ・コンパニョン
- Antoine Compagnon
- 1950年生まれ。コレージュ・ド・フランス教授。著書『第二の手、または引用の作業』『文芸の第三共和政』『近代芸術の五つのパラドックス』『文学をめぐる理論と常識』『反近代主義者たち』など。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- フィリップ・ロジェ
- Philippe Roger
- 1949年生まれ。フランス国立科学研究所研究指導教授。社会学高等研究院研究指導教授。ヴァージニア大学教授。著書『サド・圧搾機の哲学』『ロラン・バルト、小説』『アメリカという敵――フランスにおける反アメリカ主義の系譜』など。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 石川美子
- いしかわ・よしこ
- 1980年、京都大学文学部卒業。東京大学人文科学研究科博士課程を経て、1992年、パリ第VII大学で博士号取得。フランス文学専攻。現在、明治学院大学教授。著書『自伝の時間――ひとはなぜ自伝を書くのか』(中央公論社)『旅のエクリチュール』(白水社)ほか。訳書 モディアノ『サーカスが通る』(集英社)フェーヴル『ミシュレとルネサンス』(藤原書店)『記号の国』(ロラン・バルト著作集7、みすず書房)『新たな生のほうへ』(ロラン・バルト著作集10、みすず書房)バルト『零度のエクリチュール新版』(みすず書房)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 中地義和
- なかじ・よしかず
- 1952年生まれ。1976年、東京大学教養学科卒業。1985年、パリ第III大学で博士号取得。1986年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。著書Combat spirituel ou immense derision.Essai d’analyse textuelle d’Une saison en enfer(Corti, 1987)、『ランボー 精霊と道化のあいだ』(青土社)『ランボー 自画像の詩学』(岩波書店)など。訳書 『ランボー全集』(共編訳、青土社)、バタイユ『エロティシズムの歴史』(共訳、哲学書房)、同『至高性』(共訳、人文書院)、ル・クレジオ『黄金探索者』(新潮社/河出書房新社「世界文学全集」で再刊予定)、コンパニョン『近代芸術の五つのパラドックス』(水声社)、同『文学をめぐる理論と常識』(共訳、岩波書店など。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
目次
まえがき
ある友情の思い出 エリック・マルティ
ロラン・バルトの〈小説〉 アントワーヌ・コンパニョン
ふたつのオリエント フィリップ・ロジェ
訳者解説(石川美子・中地義和)
書評情報
- 塚本昌則(東京大学大学院准教授・フランス文学専攻)
<2009年3月:週刊読書人>
- (書評者を編集)<:>
この本の関連書
「ロラン・バルトの遺産」の画像:
「ロラン・バルトの遺産」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/264頁
- 定価 4,410円(本体4,200円)
- ISBN 978-4-622-07433-5 C1010
- 2008年12月18日発行