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もの忘れと認知症

“ふつうの老化”をおそれるまえに

FORGETTING

When To Worry, What To Do


わが国は現在、2030年代には人口の3人に1人が65歳以上になるという、世界的にも未踏の超高齢社会へと向かっている。長寿という恩恵は、私たちの生活に幸福ばかりでなく多くの困難ももたらすだろう。そのひとつとして危惧されるのが、認知症患者の増加である。
「認知症」はひとつの病気を指しているのではない。認知にかかわる障害、その状態の総称を指しているにすぎない。では、どの認知症は回復可能で、どの認知症はそうでないのか。誰にでも思い当たる「もの忘れ」と、アルツハイマー病はどう見分ければいいのか? 本書では、脳の疾患やうつ病、薬剤の副作用など一見認知症にみえる老年期特有の問題と、認知症との鑑別に多くの章が割かれている。誤解されがちな「認知症」の実態がよく理解されるだろう。
また、認知症は医学分野だけの問題ではない。認知症患者の介護の問題や、高齢期に頻繁に起こる転倒の問題、そして終末期の意思決定の問題など、高齢者の生活上のリスクを幅広く解説し、家族や援助職の人々がとりうる対応策を示す。
米国の看護学のエキスパートが、高齢者と家族が安心して生活するための知識とヒントをまとめる。当事者から援助者まで、なによりも“ふつうの老化”をよく理解し、高齢者の異変を見逃さないための一冊である。


目次


はじめに

第1章 敵を知る  回復可能な認知症と進行性の認知症
認知症の分類/代表的な進行性の認知症/回復可能な認知症/加齢による薬物代謝への影響/高血圧と認知症

第2章 認知症の初期の兆候か?  軽度認知障害について
診断基準――兆候と症状/軽度認知障害を見分ける/通常の脳の老化と軽度認知障害とアルツハイマー病/通常の脳の老化に関する最新の知見/軽度認知障害の何が議論になっているのか?/高齢者にみられる認知障害の二大原因/軽度認知障害の治療/すべての高齢者に対する定期的な検査は必要か?/十分に行われているとは言い難い治療

第3章 そして彼方へ  アルツハイマー病
アルツハイマー病――概説/アルツハイマー病の脳にみられる変化/アルツハイマー病の診断と治療/検査――神経心理学的検査と認知機能検査/神経画像検査/アルツハイマー病の危険因子/アルツハイマー病診断の確定診断/生存率/診断と予防の戦略――生物学的マーカー、ホモシステイン値、神経画像検査、神経心理学的検査/世界的な脅威/アルツハイマー病に関する経済的な側面について/将来的な負担/アルツハイマー病とその他の認知症に共通する特徴

第4章 ただの憂うつを超えて  うつ病について
うつ病――見逃される診断と不十分な治療/老年期のうつ病の原因/うつ病の兆候/必要な支援を得る/死別からうつ病になるとき/薬物乱用とうつ病/支援を断られたとき/治療の選択肢/症状についての補足/薬物治療/急増する高齢者人口とうつ病/なぜうつ病は治療されないことが多いのか/老人差別による診断や治療への影響/うつ病の危険性を高める要因/介護施設でうつ病はどの程度みられるか?/うつ病は予防できるのか?

第5章 だれが介護するのか?  介護者の問題
介護者――困難と責任/その現実/在宅か施設か/自宅の改修/ヘルスリテラシーを磨く/だれが介護者になるか、どこで支援が得られるのか?/男性の介護者と女性の介護者の違い/遠距離介護/その他の生活環境と地域の社会資源

第6章 その真実と偽り  認知症について
認知症に関する事実/脳の健康とは何か、どうすれば脳の健康を得られるのか?/認知機能と脳の予備力に関する理論/認知症の発症をコントロールする――リスクを減らす/記憶――その働きと加齢による影響/もの忘れ/脳の老化防止薬についての真実/認知機能を守り、強化する/認知機能の最適化――脳を再教育するためのトレーニング/食事は記憶に影響するのか?

第7章 事故はつきもの  転倒について
転倒の危険/転倒予防――医学的管理、運動、住環境の改良/身体機能の低下と股関節骨折/転倒の力学と防止法/転倒の危険性を高めるその他の要因/副作用に影響する身体的な変化/転倒防止戦略/罹患率と死亡率

第8章 考えておくべきこと   記憶を失うまえに、死のまえに
患者の自己決定法/事前の治療計画/リビングウィル/終末期の決定/救命救急士と蘇生不要の指示と緩和ケア/緩和ケア/ホスピスケア/文書による指示どおりに行われるのか?/終末期におけるその他の問題/死と決定/衰弱した高齢者に対する実務的な支援/遺言の重要性

監訳者あとがき
文献
索引


著訳者略歴

ジョーン・カーソン・ブライトン
Joan Carson Breitung

米国の看護師。看護学者。著書にThe Eldercare Sourcebook (2002) Understanding And Managing Dementia (2004) など。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
都甲崇
とごう・たかし

横浜市立大学医学部精神医学准教授。横浜市立大学付属病院精神科部長。医学博士、経営管理修士。1996年横浜市立大学医学部卒、同大学大学院(精神医学専攻)卒、ビジネスブレークスルー大学大学院(経営管理専攻)卒。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
内門大丈
うちかど・ひろたけ

横浜南共済病院神経科部長。医学博士。1996年横浜市立大学医学部卒、同大学大学院(精神医学専攻)卒。専門は認知症、老年精神医学、神経病理学。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
勝瀬大海
かつせ・おおみ

横浜市立大学医学部精神医学助教。医学博士。1997年横浜市立大学医学部卒、同大学大学院(精神医学専攻)卒。専門は認知症、老年精神医学、神経病理学。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
青木直哉
あおき・なおや

横浜市立大学大学院医学研究科在籍中(精神医学専攻)。2005年奈良県立医科大学医学部卒。専門は認知症、老年精神医学、神経病理学。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

<:精神科看護2010年10月号>
<:クレヨンハウス通信2010年11月1日号>
<2011年1月23日(日):毎日新聞>

関連リンク

この本の関連書


「もの忘れと認知症」の画像:

もの忘れと認知症

「もの忘れと認知症」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/280頁
定価 4,104円(本体3,800円)
ISBN 978-4-622-07549-3 C1047
2010年8月10日発行

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