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収奪の星

天然資源と貧困削減の経済学

THE PLUNDERED PLANET

How to Reconcile Prosperity with Nature


「大切な自然を私たちは台無しにしている。これによって最も痛手を被るのは、世界で最も貧しい人々である。この人たちにとって、この状況には生死に関わるような機会と脅威の両方が潜んでいる…自然をどのように活用すれば、先進国に過大な要求をすることなく貧しい国々の現状を変えられるか――これが、本書のテーマである」
(はじめに)
資源は最貧国にとってむしろ有害なのだろうか? 答はイエス。長期的には機会損失を招くのだ。そしてその原因はガバナンス、さらに言えば不正防止などさまざまなチェック・アンド・バランス機能にある。
では、資源を活かすにはどうしたらよいのだろうか? 本書は、資源の探査、政府によるその価値の確保から、資源収入の消費、貯蓄、投資まで、その活用のための決定の連鎖を丁寧に跡づける。
将来世代への責任をも視野に入れながら、〈自然秩序の回復〉と〈世界の貧困撲滅〉を両立させる道を示す、『最底辺の10億人』の著者が、クールな分析をもとに(ときにユーモアを交えつつ)語りかける、穏健かつ中庸な提案。


目次


はじめに

第1部 自然の倫理
第1章 貧困と略奪
環境保護主義者と経済学者は敵対するのか
第2章 自然は特別か
自然は誰のものか/最大多数の最大幸福/カストディアンの倫理規範/ブラジルの有権者に熱帯雨林の運命を決する権利はあるか

第2部 資産としての自然
第3章 資源の呪い
資源価格の高騰はよいことか/資源の呪いはなぜ起きるのか/資源富裕国で民主主義は機能するか/資源活用のための決定の連鎖
第4章 自然資産の発見
四つのグループに散らばる資源 発見のジレンマ 公共財としての地質調査
第5章 自然資産の価値の確保
賄賂を防ぐには/情報の非対称を解決する/税のジレンマ/採掘事業を国有化しないのはなぜか/ほんとうに深刻な問題は何か
第6章 持続不能な収入
国家収入の幻想/持続不能を持続する/自然資産の価格は上昇し続けるのか/手の中の鳥/資本の欠乏/資源ブーム/未来の略奪/チャイナ・ディール方式による投資の確保/放置された義務
第7章 投資への投資
投資機会はどこに/公共投資の改善/民間投資の奨励/資本財の価格抑制/景気後退期こそチャンス

第3部 生産工場としての自然
第8章 魚は自然資産か
思考実験/魚を捕る権利/ささやかな提案
第9章 自然の負債
罪の報いとご都合主義的な倫理観/低炭素社会の姿/産業の移転に伴う排出量分布の変化/同じ害には同じ税金を/共通課税の地政学/被害者と悪役/バック・トゥ・ザ・フューチャー/炭素とロブスターはなぜ似ているか

第4部 誤解された自然
第10章 自然と飢餓
なぜ食料価格は上昇したのか/高い食料で痛手を被るのは誰か/第一の共同幻想――小農礼賛/第二の共同幻想――遺伝子組み換え作物の禁止/第三の共同幻想――バイオ燃料ブーム/政治への期待

第5部 自然の秩序
第11章 自然の秩序の回復
最貧国の資源を活用するために/略奪に加担しない責任/ 国際協調の実現

索引


著訳者略歴

ポール・コリアー
Paul Collier

オックスフォード大学教授、同大アフリカ経済研究センター所長。専門は民主主義の政治経済的研究、アフリカの経済成長論、内戦、援助、グローバリゼーション、貧困についての経済学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
村井章子
むらい・あきこ

翻訳家。上智大学文学部卒業。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

<2012年5月13日(日):日本経済新聞>
山形浩生(評論家)
<2012年6月3日(日):朝日新聞>
石弘之(環境史家)
<2012年5月6日(日):東京新聞>

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収奪の星

「収奪の星」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/288頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-07671-1 C1033
2012年3月19日発行

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