みすず書房

長い道

判型 四六判
頁数 248頁
定価 2,640円 (本体:2,400円)
ISBN 978-4-622-07674-2
Cコード C0095
発行日 2012年7月20日
備考 重版中・3/1出来
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長い道

著者は1928(昭和3)年生まれ。10歳で瀬戸内海に浮かぶ島、長島のハンセン病療養所長島愛生園(現・岡山県瀬戸内市)に入園、以来70年余をこの地で暮らす。22歳で療友と結婚後は園内で働く夫を主婦として支え、様々な後遺症を持ちながら、家事と読書を楽しんで慎ましく暮らしてきた。
「本は親友だったけれども、自分が書くなんて思ってもみなかった」が、80歳を迎える頃から習いおぼえたワープロで少しずつ、瑞々しい文章を生みだしていく。
家族の愛情に包まれて過ごした幼少期。発病によって故郷を離れ、孤児のような気持ちで過ごした少女時代。『モンテ・クリスト伯』を読みふけり、大海原に心遊ばせた十代。夫のために料理をし、ミシンをおぼえ裁縫に精出した日々。心の支えだった親友の最期。遠い道のりをいつまでも会いにきてくれた母への思い。
故郷の暮らしを細やかに綴った「生まれた村で」、長島での日々を語る「島の七十年」(聞き手・伊藤幸史神父)、親友の看取りの記「あの温かさがあったから生きてこれたんだよ」(『愛生』連載)他を収録。

著者の生き方と言葉に深くうたれ、交友がはじまった料理研究家・辰巳芳子さんとの対談「生きなければわからないこと」を巻末に付す。

目次

生まれた村で
  生まれた村で
  その日がくるまで

島の七十年

別れの予感
  別れの予感
  あの夏の日
  愛生園の片隅で
  微笑みの人、横田先生
  風にも負けず

あの温かさがあったから生きてこれたんだよ

あとがき
妻との日々  宮﨑孝行
初出等

書評情報

鷲田清一
朝日新聞「折々のことば」2016年10月21日
松永美穂(早稲田大学教授)
朝日新聞2012年9月9日(日)
高山文彦(作家)
週刊文春「文春図書館」2012年9月3日号
ミセス
2012年10月号
読売新聞
2012年9月16日(日)
小林照幸(ノンフィクション作家)
北海道新聞2012年9月16日(日)
クロワッサン
2012年10月10日号
若松英輔(批評家)
中央公論2012年10月号
小池昌代(詩人・作家)
母の友2012年12月号
平松洋子(エッセイスト)
東京人2012年12月号
佐田尾信作(論説副主幹)
中国新聞2012年10月27日
田中千世子(秋草学園短期大学)
社会新報2012年11月28日号
平松洋子(エッセイスト)
文藝春秋2012年11月号
松永美穂(早稲田大学教授)
朝日新聞「今年の3点」2012年12月23日(日)
若松英輔(批評家)
中央公論2012年10月
いきいき
2013年7月号

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