みすず書房

ルネサンスの秋

1550-1640

THE WANING OF THE RENAISSANCE

判型 A5判
頁数 376頁
定価 6,600円 (本体:6,000円)
ISBN 978-4-622-07687-2
Cコード C1022
発行日 2012年9月20日
備考 現在品切
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ルネサンスの秋

ヨーロッパ・ルネサンスの最盛期は、ほぼその衰退期にもあたっていた。国家・宗教・学問・言語・時間・空間・「自己」概念をはじめとして、各分野や世界観がゆるぎ、統一と分裂がある意味では同居していた時代であった。一つの時代の終焉と西欧近代の始まり、上昇する運動と下降する運動の同時性を、統治者であれ、民衆であれ、知識人であれ、同時代人たちはどのように考え、生き、何を欲したのか。
モンテーニュ、ジャン・ボダン、パオロ・サルピ、ガレリオ・ガリレイ、リチャード・フッカー、ベン・ジョンソン、シェイクスピア、ホッブズ、セルバンテスなどが国家のあり方、政治経済、宗教、哲学から新科学、新世界、演劇、男女関係、普通の生活まで多種多様に書き残したものを手がかりに、その二重の像のダイナミズムを明らかにする。類をみない仮説から従来にないルネサンス像を現前させた、碩学による画期的著作。ブルクハルト、ホイジンガを継ぐ、現代の古典ともいえる書である。

目次

凡例

序文
第1章 ヨーロッパの文化的共同体
第2章 「自己」の解放
第3章 「知識」の解放
第4章 「時間」の解放
第5章 「空間」の解放
第6章 「政治」の解放
第7章 「宗教」の解放
第8章 「時代」の悪化
第9章 ルネサンス期の「演劇」と「私」の危機
第10章 文化的秩序に向かって
第11章 再編された「自己」
第12章 確実さの探求——懐疑論から客観知(サイエンス)へ
第13章 歴史意識の衰退
第14章 社会的・統治的秩序
第15章 宗教的秩序
第16章 芸術的秩序
結語

訳者あとがき
参考文献
索引

書評情報

石黒盛久(金沢大学教授)
図書新聞2012年12月15日
上村忠男(学問論・思想史)
図書新聞「2012年下半期読書アンケート」2012年12月22日

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