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善意で貧困はなくせるのか?

貧乏人の行動経済学

MORE THAN GOOD INTENTIONS



マイクロファイナンスのパンフレットにきれいな女性の写真を載せると申し込みは増える? 検査を受けた人にお金を払えばHIV感染率は下がる? 貴重な善意を最大限に活かすためにはどうしたらいいの?
ガーナ、ケニア、南アフリカ、インド、フィリピン、ペルー、メキシコ……理論と現実が一致しない途上国の複雑な世界にわけいって、そこから「クール」な答えを、次々と導き出している〈新しい経済学〉のいまを紹介。
人間心理が陥りがちな落とし穴をやんわりと回避させるための後押し(=ナッジ)の手法をふんだんに盛り込み、開発経済学の新しい知見を一般向けにやさしく語ります。
その新しさの特徴は、開発プロジェクトの「なにがうまくいって、なにがだめなのか」を社会実験ではっきり実証する点、そして人間の非合理性を考慮した新しい発想に基づいている点にあります。

「この本には世界を変えるアイデアが詰まっている!」
P・シンガー(プリンストン大学教授)

「カーランは、経済学新世代のもっともエネルギッシュな研究者だ」
E・デュフロ(マサチューセッツ工科大学教授)

「深刻な問題に対する、精緻な分析と独創的な発想の勝利だ」
R・シラー(イェール大学教授)

『貧乏人の経済学』『最底辺のポートフォリオ』につづく、新・開発経済学の決定版。


目次


覚書 ジェイクと僕の出会いと、この本の語り手について

第1章 はじめに――僧侶と魚
貧困と闘う(そして魚も救う)ための二面戦略
シンガーの湖に飛び込む
目の前で行われている行動経済学的な解決法
僕たちはもっと要求してもいい
本書の行く先

第2章 貧困と闘う――何をどうするのか
前へ進めない?
ランダム化比較試験
コイン投げで科学
アーネストへの難しい質問
貧困について語るとき僕たちは何について語っているのか

第3章 買う――セーフティネットがある世帯を倍に増やす
売れないものはない
最後の1マイルの問題
きれいな女性の写真はどれくらい価値があるか?
多すぎる選択肢
セーフティネットがある家庭の数を倍に増やす
売り込みが肝心

第4章 お金を借りる――タクシーの運転手はどうしてローンを借りなかったか
マイクロクレジットの奇跡
アーリンのドロップアウト
骨組みだけのローンにする
金の卵とマイクロクレジット擁護論
マイクロクレジットはなぜもっと人気にならないのか
骨に少し肉をつける
マイクロクレジットはコミュニティを変えることができるか?
手段であって、目的ではない

第5章 幸せを求める――もっと楽しいことがある
いちばんいいところにいちばんいいタイミングで
幸せを求めて
オティとマイクロクレジット
炊飯器を求めて
つかみどころがないお金
真実を知る
つかみどころのないお金のもっと大きな問題

第6章 力を合わせる――集団の欠点はどうする?
グループ貸し付けモデルは持ち上げられすぎ
借り手の素性は?
どうして借り手が返済できるといえるのか?
うまくいかなくなったらどうなる?
もっとあるグループ貸し付けの利点
グループ責任の問題点
答えは単純な個人ローンかも
証拠
グループ貸し付けを動かすものは?
帽子の重要性
集会は大切
次のステップ

第7章 貯める――楽しくない選択肢
どうして貯蓄はいいことなのか
どうしてお金を貯めるのは難しいか
タンス預金と変わらない
サニーの貯蓄
貧しい人たちに貯蓄をさせる
ホームでの闘いからのヒント
もっとやさしいナッジ

第8章 耕す――ゼロから何かを作りだす
ドラムネット
いちばんいい組み合わせで農業を改善する
農民も人間だ
情報の洪水
親近効果と利用可能性
奇妙な行動の癖を良いことに使う
バイラル・パイナップルと社会的学習
ドラムネットの破綻
強い基盤
貧困との闘いはやっぱりロケット科学に似ている理由

第9章 学ぶ――大事なのは学校に来させること
学生を増やす
服装が生徒を作る
小切手を切る
良いものをもっと良いものに
驚きの大ヒット
アンソニー再登場
先生を教室に来させる
写真1枚は1000ルピーの価値がある
先生が出勤するだけでは十分じゃないとき
正しい方向に向かって
もう一つの驚きの大ヒット
秘密の材料を見つける

第10章 健康を保つ――足の骨折から寄生虫まで
本日(も)休診
医者に行く患者にお金を払う
自分でつくるインセンティブ
マラリアと闘う
バケツの中のいちばん大事な一滴
誰にでも効く薬はない

第11章 男と女のこと――裸の真実
悪い情報、悪い選択
シュガーダディ
検査を受けた人にお金を払う

第12章 寄付をする――結論
効果がある7つのアイデア
リストは続く

謝辞
解説(澤田康幸)
索引/原注


著訳者略歴

ディーン・カーラン
Dean Karlan

イェール大学経済学教授、マサチューセッツ工科大学(MIT)のアブドゥル・ラティフ・ジャミール貧困アクション研究所のリサーチ・フェロー。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
ジェイコブ・アペル
Jacob Appel

IPAのフィールド・リサーチャー。コロンビア大学で数学を学んだ後、南米、アフリカ、アジアにおけるIPAなどの開発組織の拠点で研究を続けている。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
清川幸美
きよかわ・ゆきみ

翻訳家。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
澤田康幸
さわだ・やすゆき

東京大学大学院経済学研究科教授。開発経済学専攻。スタンフォード大学客員教授、BRAC・バングラデシュ開発研究所(BIDS)・JICA研究所の客員研究員等を歴任。アジア、アフリカで社会実験に取り組んでいる。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

巻末「解説」より

「5年前、かりに「開発経済学の一般向け入門書は?」と問われればジェフリー・サックス『貧困の終焉』、ウィリアム・イースタリー『エコノミスト 南の貧困と闘う』、ポール・コリアー『最底辺の10億人』の3冊を挙げただろうが、いまやこうしたマクロ的あるいは安楽椅子からの議論はとても陳腐に感じられる。 ...続きを読む »

書評情報

<:エコノミスト「話題の本」2013年5月7日号>
大竹文雄<2013年4月21日(日):毎日新聞>
<2013年3月24日(日):日本経済新聞>

関連リンク

この本の関連書


「善意で貧困はなくせるのか?」の画像:

善意で貧困はなくせるのか?

「善意で貧困はなくせるのか?」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/344頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-07726-8 C1033
2013年2月8日発行

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