みすず書房

20世紀ユダヤ思想家 3

来るべきものの証人たち

TEMOINS DU FUTUR

判型 A5判
頁数 392頁
定価 8,800円 (本体:8,000円)
ISBN 978-4-622-07748-0
Cコード C3010
発行日 2013年11月19日
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20世紀ユダヤ思想家 3

ユダヤ教と現代思想——20世紀、この両者の深淵で繰り広げられた知的格闘を、思想家ひとりひとりを光源として、詳細かつ重層的に描き出したシリーズの第3巻。

「アカデミックな痕跡ということでは、レオ・シュトラウスの思想ほど深い痕跡を残した思想はほとんどない。このことは、彼の思想によって枠組みを整えられた諸々の論争に関しても、また、それが培ってきた教義に対する忠実さに関してもそうである」
「ハンス・ヨナスは断固として、「本質の手探りでの探究」を実行した。思想に世界の謎を託し、存在論的不安によって熱狂を退け、人間の行いに用心の命令を課す以上の手続きは、与えられたものの尊厳という原理を教える」
「レヴィナスにおいては、ユダヤの伝統と哲学とが調和のうちに同居しえている。しかしながらこの調和は、聖書の読書をつねに哲学的生活の最初の経験とみなす方法という、より明確な現象に起因している」
レオ・シュトラウス、ハンス・ヨナス、エマニュエル・レヴィナスにおける、信仰と理性の融和と対立のダイナミズムを丹念にたどった精神史。
1巻では、ヘルマン・コーエン、フランツ・ローゼンツヴァイク、ヴァルター・ベンヤミン、2巻では、ゲルショム・ショーレム、マルティン・ブーバー、エルンスト・ブロッホが論じられる。

目次

第7章 レオ・シュトラウスの遺言
ペリシテ人の国から隔たって
スピノザ問題
ヘルマン・コーエンの涙のもとで
律法と理性——中世的啓蒙主義を求めて
マイモニデスの秘密
エルサレムとアテネ——二つの法典のあいだの一つの生
昼でも夜でもない時——迷えるレオ・シュトラウスの肖像

第8章 ハンス・ヨナス——思想の経験と世界に対する責任
亡命、忠誠と失望——ある人生の路程
グノーシスの鏡
有機体から自由へ——死すべきものであることの重荷と恵み
自由から責任へ——自然の傷つきやすさと人間のための苦悩
恐れの知恵と新たな命法
〈永遠者〉の力と限界——アウシュヴィッツ以後の神概念
希望と責任——〈契約〉の二つの形象?

第9章 エマニュエル・レヴィナスとともに——裁かれる歴史
労働と学習によって世界を建設すること
世界のように古く
〈全体性〉を越える〈無限〉の観念
ローマとエルサレム——政治とその後
存在に感染せざる神?
諸国民の時代のイスラエル
時間の持続そのもののなかで

訳者あとがき(合田正人)
全巻人名索引

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