みすず書房

思想としての〈共和国〉【増補新版】

日本のデモクラシーのために

判型 四六判
頁数 360頁
定価 4,620円 (本体:4,200円)
ISBN 978-4-622-07998-9
Cコード C1031
発行日 2016年6月24日
備考 現在品切
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思想としての〈共和国〉【増補新版】

「日本国憲法の根底にあるのは実は「市民的公共権力による自由」を追求する共和国の精神なのであり、にもかかわらずその解釈と運用は、初発の美濃部憲法学のときからしてすでにそこからの逸脱であり、「国家からの自由」への横滑りであった…」(「あとがき」)

安全保障関連法が施行されたなか、旧版で集い、市民社会と法思想を論じた著者は、再び日本の民主主義を問い直すために結集した。主権は、われわれ国民にある、近代国家を否定する相手と闘い、壊れゆく日本社会を救う手立てを考えなければならない、と。
フランスの〈共和国〉思想から何を学び、日本のデモクラシーにどう活かすのか。そして、日本社会の独自性を問い、いかに問題提起をなすべきかを論ずる。
法、社会、政治、思想…いまこそ、日本の民主主義をあらためて問わねばならない。
「すべては、人民をつくる政治的結合からはじまる」(水林章)、「比較憲法史論の視座転換と視野拡大」(水林彪)、「水林彪論稿に寄せて」(樋口陽一)、「「増補新版」のためのあとがき」(水林章)、以上四稿が増補に際する新稿、計70頁。

目次

すべては、人民をつくる政治的結合からはじまる——「増補新版」のための導入にかえて  水林章

   *

あなたはデモクラットか、それとも共和主義者か  R・ドゥブレ(水林章訳)

現代世界に直面するメディオローグ——レジス・ドゥブレとの対話  R・ドゥブレ、三浦信孝

フランス共和国の孤独——十八世紀が照らし出す現代  水林章

新しい〈ユマニテ=人文学的教養〉のために——グローバリゼーションと来るべき教育  水林章

共和国の精神について〔鼎談〕  樋口陽一、三浦信孝、水林章
(鼎談を終えて 樋口陽一)

後記 I 三浦信孝
後記 II 水林章
読書案内

   *

[増補]比較憲法史論の視座転換と視野拡大——ドゥブレ論文の深化と発展のための一つの試み  水林彪

[増補]水林彪論稿に寄せて  樋口陽一

「増補新版」のためのあとがき  水林章

関連リンク

[トピックス]水林章「増補新版のための「あとがき」」より

「この異常事態に対して反応しないという選択肢はありえないと、即座に判断した」……