みすず書房

青柳瑞穂 骨董のある風景

大人の本棚

判型 四六判
頁数 312頁
定価 2,640円 (本体:2,400円)
ISBN 978-4-622-08048-0
Cコード C1395
発行日 2004年4月8日
備考 現在品切
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青柳瑞穂 骨董のある風景

「青柳瑞穂は、見る人であったと思っている。観る人であり、鑑る人でもあり、ときに窃視する人であった」(編者あとがきより)

『マルドロオルの歌』やルソー、モーパッサンの名訳者として知られる著者は名著『ささやかな日本発掘』の古美術鑑賞家でもある。

手に入れたものの中には数少ない光琳の肖像画、乾山の色絵皿など古美術界を驚かせるようなものもあり、本書の主題でもある。

しかし、瑞穂の骨董エッセイの妙味はそんなところにあるのではない。自分の目で見てドキドキし、深夜に酒を飲みながら愛しく抱くときの肌触りのよさ。閑暇、無為、退屈を好んだ瑞穂のそんなエロティシズムがうれしい。

目次

わが骨董の歴史
あるコレクターの告白
鳴滝乾山の色絵皿
わが光琳と乾山
田舎の土蔵
鑑賞のふしぎさ
陶製オコゼの在り方
歎美抄
 水瓶/古代ガラスを想う/根来の美しさ/京を歩く
長崎を想う
虫の声、笛の音
経筒
葡萄ビイキ
うまいもの、美しいもの
水の匂い
国東半島の朽ちた仏像
日本のやきものの終着駅
京都の裏町を歩く
石の思い出
武蔵野の地平線
花を想う
 野の花/屏風の花/室内の花/高嶺の花
柳宗悦について
玉堂二題
 山雨染衣/橋のモノローグ
倉敷の町
やきものの中の散歩
 骨董病/陶と酒と油と/個と群/壺のある風景/たたみの上の茶碗/山小屋だより
骨董夜話
 浦上玉堂の花/木彫の牛/信楽の古壺/絵唐津肩付茶入/水滴のおじいさん

見る人・瑞穂 …青柳いづみこ