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大人の本棚

アラン島

THE ARAN ISLANDS


「僕はアランモアにいる。暖炉にくべた泥炭の火にあたりながら、僕の部屋の階下にあるちっぽけなパブからたちのぼってくるゲール語のざわめきに、耳を澄ませているところだ」

19世紀末、文学の道を志しながらも、パリでさえない日々を送っていたJ.M.シング。友人イエィツにすすめられ、アイルランド辺境のアラン諸島に渡ったシング青年は、おじいたちから島にのこる数々の伝承を聞き、酒場や民家の炉端で島人とのつきあいを深め、またあるときは荒海に乗り出した島カヌー(カラッハ)で漕ぎ手たちと生死をともにする。

苛酷な自然の中で独自の文化を育み、たくましく生きる島人たち。その暮らしぶりを誠実に記録した紀行文学の傑作を、気鋭のアイルランド文学者によるみずみずしい新訳でお届けする。


「アラン島」の著訳者:

ジョン・M・シング
John Millington Synge
1871年ダブリン郊外のプロテスタントの家系に生まれる。同市のトリニティ・カレッジを卒業後、ドイツ、イタリア、フランスなどを転々としながら文学や音楽を学ぶ。その後、パリで出会ったW.B.イェイツのすすめでアラン諸島に赴き、本書『アラン島』(1907年)を著わしたほか、島での取材や体験をモチーフにつかった戯曲『谷間の蔭』(1903年)、『海へ騎りゆく者たち』(1904年)、『聖者の泉』(1905年)『西の国の伊達男』(1907年)などを上演、アイルランドの文芸復興に大きく寄与した。死後上演された作品に、同じくアラン島で聞いた伝説に着想をえた『悲しみのデアドラ』(1910年)がある。1909年歿。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
栩木伸明
とちぎ・のぶあき
1958年東京生まれ。上智大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学教授。専攻はW.B.イェイツ以降の現代アイルランド文学・文化。主な著書に『アイルランド現代詩は語る――オルタナティヴとしての声』、『アイルランドのパブから――声の文化の現在』、『ケルトと日本』(共著)。訳書にキアラン・カーソン『琥珀捕り』などがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

編集者からひとこと

「さてさて、それじゃ、『島』に行ってこようかな」。

昨秋に刊行した栩木伸明さんによる新訳『アラン島』(J・M・シング)の編集作業にとりかかるとき、いつもこんなふうに心のなかでつぶやいていた。 ...続きを読む »

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「アラン島」の画像:

アラン島

「アラン島」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/288頁
定価 2,625円(本体2,500円)
ISBN 4-622-08063-X C1398
2005年11月10日発行

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