ロラン・バルト著作集 5
批評をめぐる試み
1964
OEUVRES COMPLETES
バルト最初の論文集『エッセ・クリティック』の、33年ぶり、全面的な新訳。『零度のエクリチュール』を出した1953年から10年間に書かれた論文や序文のなかから、選りすぐった33編を年代順に収めている。オランダ絵画をめぐる「事物としての世界」にはじまり、ロブ=グリエ論「対物的文学」「ブレヒト的革命」「古代をどのように上演するか」ヴォルテール論「最後の幸福な作家」など、が前半に、記号学を道具として用いるようになってからのビュトール論「文学と不連続」や「三面記事の構造」「文学と意味作用」を後半に、過去と未来の遠近法でかたちをあたえられた本書は、いまなお刺激的な批評集でありつづけるとともに、「含羞の人」バルトのエクリチュールを知るために不可欠の作品である。
「批評をめぐる試み」の著訳者:
- ロラン・バルト
- Roland Barthes
- 1915年生まれ。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話(ミトロジー)』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリテヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『彼自身によるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。バルトの単行本はすべて、みすず書房から刊行される。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 吉村和明
- よしむら・かずあき
- 1954年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。19世紀フランス文学・表象文化専攻。現在、上智大学文学部教授。訳書 サミュエル・フラー『映画は戦場だ!』(共訳、筑摩書房)、『ドーミエ版画集成』第2巻(みすず書房)、ベルナール・エイゼンシッツ『ニコラス・レイ――ある叛逆者の肖像』(キネマ旬報社)、オノレ・ド・バルザック『ラブイユーズ』(藤原書店)、ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』全5巻(共訳、岩波現代文庫)ほか。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 石川美子
- いしかわ・よしこ
- 1980年、京都大学文学部卒業。東京大学人文科学研究科博士課程を経て、1992年、パリ第VII大学で博士号取得。フランス文学専攻。現在、明治学院大学教授。著書『自伝の時間――ひとはなぜ自伝を書くのか』(中央公論社)『旅のエクリチュール』(白水社)ほか。訳書 モディアノ『サーカスが通る』(集英社)フェーヴル『ミシュレとルネサンス』(藤原書店)『記号の国』(ロラン・バルト著作集7、みすず書房)『新たな生のほうへ』(ロラン・バルト著作集10、みすず書房)ほか。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
「批評をめぐる試み」の画像:
「批評をめぐる試み」の書籍情報:
- A5変型判 タテ200mm×ヨコ148mm/448頁
- 定価 5,775円(本体5,500円)
- ISBN 4-622-08115-6 C1310
- 2005年12月16日発行