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理想の教室

『カンディード』〈戦争〉を前にした青年

著者
水林章

「すべては最善の状態にある」と説く師の教えを無邪気に信じるカンディードには、〈戦争〉の現場も調和した光景に見えています。18世紀の作家ヴォルテールが描く〈戦争〉に直面した若者の場面をテクスト分析の手法で読み解くこの授業で、「読む」スリルと「共振」のダイナミズムを感じてください。


目次


第1回 「きれいな戦争」?
テクストを「読む」ということ/『カンディード』――どんな作品か
I 戦争のイメージ(一)
カフェで労働力を売る/「近代国家」とは何か/身分制社会について/視覚的な美/聴覚的な美/婉曲語法/秩序の感覚/言葉のポリフォニー/オクシモロン(撞着語法)/「哲学者のように震える」/「きれいな戦争」

第2回 カンディードは言葉の囚人?
II 城の世界の構造――第一章を読む
城、始まりの世界/コノテーション/登場人物たち/理想の世界/愚弄される世界/破綻の兆候/歴史感覚/崩壊する古い世界/私生児カンディード/語りの構造に目を向ける/二つの語りのスタイル、二つのヴィジョン/時制の不思議――単純過去/時制の不思議――半過去/二つの時制の組み合わせ/世界の初期状態を提示する半過去/単純過去の機能――ロラン・バルトに導かれて/単純過去は物語のしるし/〈静〉と〈動〉のコントラスト/なぜウェストファリアなのか/七年戦争の記憶/共同体から分離された個人/ジュリアンとジャン=ジャック/一風変わった教養小説/パングロス――言葉の絶対的支配者/聞く人カンディード/「カンディード」という名前

第3回 間近から見る戦場
III 戦争のイメージ(二)
逃亡するカンディード/戦争と音楽/変化の兆候――俯瞰的視点から個別的ヴィジョンへ/雑多な事象の散乱/顔、そして苛まれる肉体/断片化される身体/シンメトリックな戦争の野蛮/美的なヴィジョンからの脱却/『ジョヴァンニ・アルノルフィーニとその妻』に見る「入れ子構造」/「鏡」――全体を映し出す細部/「入れ子構造」と作品の主題/テクスト分析をふりかえって――言語的専制からの自由/言説の専制的支配
IV まとめ――歴史の大きな変わり目とその表現クリティック=批評/兆候としてのテクスト/歴史を読む――兆候的読解/第一の「兆候」――父殺し/第二の「兆候」――パングロスの沈黙/第三の「兆候」――自律へと跳躍するカンディード/自律的個人の誕生/オペラ版『キャンディード』による誤った解釈/退く神

補講 「断片化した身体」から見えてくるもの
兆候としての「断片化した身体」/労働する身体/ミシェル・フーコー『監獄の誕生――監視と懲罰』/「身体」が作られる三つの場所


著訳者略歴

水林章
みずばやし・あきら

1951年生まれ。東京外国語大学教授。専攻は17-19世紀前半のフランス文学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「『カンディード』〈戦争〉を前にした青年」の画像:

『カンディード』〈戦争〉を前にした青年

「『カンディード』〈戦争〉を前にした青年」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/168頁
定価 1,404円(本体1,300円)
ISBN 4-622-08308-6 C1398
2005年7月7日発行

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