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理想の教室

『動物農場』ことば・政治・歌

著者
川端康雄

二本足で立ちあがる動物は、なにもレッサーパンダにかぎりません。全体主義ソヴィエトの寓意小説『動物農場』では、おそるべし――なんとブタたちが後ろ足で歩きだし、前足を手のように使いこなし、読み書きの能力まで身につけ、しまいには顔つきだって人間と区別がつかなくなってしまうのです。

ことばはいかにして権力に寄り添うものとなるか? 禁圧された希望の歌に託されたメッセージとは? いや、そもそも「大人に読んでもらいたくて、どうしてわざわざ『おとぎばなし』」なのだろうか?

「ディストピアのおとぎばなし」。この「ジャンルならではの文法をしっかりと使うことによって、結末の陰鬱さを埋め合わせるような、『悪い時代』を生き抜くための知恵」を伝えようとした作者ジョージ・オーウェル。その生涯と時代背景をおさえつつ、物語の構造に隠された驚くべき仕掛けの数々を楽しく解きほぐしていきます。


「『動物農場』ことば・政治・歌」の著訳者:

川端康雄
かわばた・やすお
1955年生まれ。日本女子大学教授。専門はイギリス文学・イギリス文化研究。ウィリアム・モリスとオーウェルの二人の仕事を読み直す作業をとおして、現代の社会、文化、芸術をめぐるさまざまな問題をかんがえている。サッカーが好き。著書『オーウェルのマザー・グース』(平凡社)『絵本が語りかけるもの』(共著、松柏社)、訳書モリス『ユートピアだより』(晶文社)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

テクスト――オーウェル『動物農場――おとぎばなし』
第1~3章、第10章(抄)
第1回 「悪い時代」の作家
はじめに/のどを撃ち抜かれて/『カタロニア讃歌』の冗談/全体主義の時代/父の仕事/学校体験/植民地インドへ――「絞首刑」と「象を撃つ」/作家になる/「ソヴィエト神話」ってなに?/「粛正」という名のテロ
第2回 おとぎばなしの文法
四本足はいい、では二本足は?/『動物農場』のあらすじ/なぜ「おとぎばなし」なのだろう/「文字どおり」に読むならば/「反ソ・反共作家」というレッテル/隠喩とアレゴリー/ブタはきたない?/癒し系のブタ/ブタのすがたかたち
第3回 ことばのディストピア
ブタばなしのつづき/ディストピアのかたち/政治とことば/〈七戒〉の改竄/大げさなことばづかい/読み書き能力と権力/羊をめぐる冗談/歌いつづける動物たち

この本の関連書


「『動物農場』ことば・政治・歌」の画像:

『動物農場』ことば・政治・歌

「『動物農場』ことば・政治・歌」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/168頁
定価 1,365円(本体1,300円)
ISBN 4-622-08312-4 C1398
2005年9月9日発行

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