みすず書房

1960年代、ビートルズの音楽とその存在は、同時代の文化が様変わりしていった過程に、どのような影響を与えたのか。また、人びとは、いかに共振したのか。ビートルズの音楽・映像・メッセージの紹介を通して、〈音楽が世界を変えていく光景〉と、〈世界が変わっていく中を生きるリアリティ〉を描く。情報を積み上げるだけでは見えてこない〈時のうねり〉が実感できる画期的な同時代史。そして、ワイルド&エキサイティングなライヴ感がはじける、しびれるBeatles入門!

目次

第1回 世界史の中のビートルズ
世代間ギャップの時代のヒーロー/ビートルズの生い立ち/ビートルズ現象/歴史を動かすポップ・ヒーロー/子供が大人より強いということ/ロックンロール誕生/"違う人たち"の流行音楽/階級と「うた心」/故郷の人々、うたの故郷/〈近代〉という時代/革命のヒーロー/新しい世界システム/最大多数の最大快楽/六〇年代を生きる感覚

第2回 ビートルズの音楽革命
「ドレミの歌」と「ドレミじゃない歌」/うたのルーツへゲット・バック/学校音楽と黒人/うたにも衣装/異種のうたを接合する/うたの化学反応/いにしえへのイニシエーション/ノリの歴史を遠望する

第3回 オール・トゥゲザー・ナウ!
ビートルズと国際情勢/ミシシッピー州の出来事/衛星がもたらす光/つながる幸福/映画的 対 テレビ的/あらゆる差別を崩していく/ロックによる天下統一/ポップ=アヴァンギャルド/"For no one"for every one /つながることの意味が変わった