ジャコメッティ エクリ【新装版】

1901年、スイス、グリゾン州ボルゴノーヴォに生まれ、隣村スタンパで幼年期を過ごす。早くから彫刻と絵画を始め、1920-21年イタリアを旅行、22年にパリに出、以後終生同地に住む。最初はキュビスム風の彫刻を、ついで想像によるオブジェを作る。1930年、シュルレアリスム運動に加わりグループの活動、雑誌や展覧会に参加。1935年、写生による仕事に戻る。42-45年ジュネーヴに住む。彫刻は次第に小さくなり、最後にはほとんど消えるところまでゆく。47年まで作品の発表は行なわない。48年ニューヨークのピエール・マティス画廊で個展、以後各地で展覧会。62年ヴェネツィア・ビエンナーレで彫刻大賞を受ける。1966年急逝。死後69-70年、パリのオランジュリー美術館で回顧展、以後いよいよ声価が高まり各国で個展。日本では1983年に巡回展、また1991-92年にはパリ市立近代美術館で彫刻・油彩・デッサンを集めた大規模な回顧展が開かれている。

1918年に生まれる。京都大学文学部哲学科卒業。1989年没す。著書『ジャコメッティ』（1996）『矢内原忠雄伝』（1998）『アルバム　ジャコメッティ』（1994、以上みすず書房）。訳書 J・モディリアニ『モディリアニ』（1961）、F・クレー『パウル・クレー』（共訳、1962）、H・ペリュショ『セザンヌ』（1963、以上みすず書房）ほか。

1918年、大阪に生まれる。1941年東京大学文学部卒業。明治大学名誉教授。2002年没す。著書『迷路の奥』（みすず書房、1975）『石を聴く』（朝日新聞社、1978）『雲と天人』（岩波書店、1981）『三つの言葉』（みすず書房、1983）『方円漫筆』（みすず書房、1992）『明るさの神秘』（小平林檎園、1996、みすず書房、1997）『見る人——ジャコメッティと矢内原』（みすず書房、1999）『対談　ジャコメッティについて』（矢内原伊作と共編、用美社、1983、のち『辻まことの思い出』に所収、みすず書房、2001）ほか。訳書　H・リード 『イコンとイデア』（みすず書房、1957）、G・バシュラール『空と夢』（法政大学出版局、1968）、『ジャコメッティ　エクリ』（共訳、みすず書房、1994）他。

1948年東京に生まれる。1971年学習院大学フランス文学科卒業。東京大学大学院を経て、76-80年パリ第三大学に留学。詩人、学習院大学教授。著書に詩集『つゆ』（思潮社、1990）『定本　闇』（思潮社、1993、高見順賞）『吉田加南子詩集』（思潮社、1997）『定本闇—対訳版』（思潮社、2000）『さかな』（思潮社、2008）。エッセー『詩のトポス』（思潮社、1993）『言葉の向こうから』（みすず書房、2000）『幸福論』（思潮社、2005）。訳書『デュブーシェ詩集』（思潮社、1988）、『ジャコメッティ　エクリ』（共訳、みすず書房、1994）、C・ジュリエ『ベケットとヴァン・ヴェルデ』（共訳、みすず書房、1996）ほか。