みすず書房

■四六判 上製 函入り
■限定150部製作 分売可

医師でもあった「アララギ」の歌人による斎藤茂吉論を、改稿のうえ集大成。精神科医としての茂吉の経歴と短歌の創作履歴とを関係付け、自身が医師であることの知識と経験を活かしつつその全体像を論じた『斎藤茂吉と医学』、著者の短歌の師であった山口茂吉の生涯と作品を論じた『山口茂吉―斎藤茂吉の周辺』、1931年満洲事変から戦後1946年までの厖大な戦争歌について、時代状況との関係を綿密に検証した『斎藤茂吉と十五年戦争』、さらに自選の歌集『游塵』を加えた全4巻。

加藤淑子(かとう・よしこ)

1923(大正12)年5月、和歌山県に生まれる。1945(昭和20)年9月、東京女子医学専門学校(現東京女子医科大学)を戦時特例により繰上げ卒業。同年12月、医師免許証を交付せられ、東京都内の総合病院眼科に1986年3月まで勤務。医学博士(論文審査は東京大学医学部教授会、1959年)。1946年、「アララギ」に入会し、1997年末廃刊まで同会員。 著書 歌集:『朱雲集』(1981年、角川書店)、『さつき集』(1994年、私家版)、『秋沙』(1994年、短歌新聞社)、『石黛』(2000年、不識書院)、『落花風起』(2004年、短歌新聞社)。評伝:『山口茂吉』(1971年、乙骨書店)。『斎藤茂吉と医学』(1978年、みすず書房)、『山口茂吉――斎藤茂吉の周辺』(1984年、みすず書房)、『斎藤茂吉の十五年戦争』(1990年、みすず書房)、『茂吉形影』(2007年、幻戯書房)。編著:『山口茂吉日記』(2002年、明治大学人文科学研究所、全8巻)、其の他、合著類数篇。