みすず書房

■四六判上製カバー装
■平均300ページ

池内紀という千変万化、多面的な存在を簡単に紹介することはできない相談である。
みごとな訳業によってゲーテやカフカを〈笑い〉へと解放した独文学者、
ウィーンや世紀末芸術にかんする卓抜な紹介者、
山と諷刺を愛した辻まことの同行者、
最近とみにシブミを増したエッセイスト、
さらに温泉と居酒屋の閑をたのしむ旅人、
はたまたユニークな画家(自称)等々。
いくつもの顔をもった、この謎めいた人物の四半世紀にわたる全貌を知りたい方々のために、自選による著作集を初めて集成。

  • 『ウィーンの世紀末』から『はなしの名人』『カフカ事典』まで、主要著作を自選・集成
  • それぞれのエッセイに加筆修訂がなされた決定稿
  • 全巻に執筆時の背景を記した〈仕事場ノート〉を付す

池内 紀(いけうち・おさむ)

1940年、兵庫県生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。おもな著訳書『諷刺の文学』『ウィーンの世紀末』(白水社)『海山のあいだ』(角川文庫)『森の紳士録』『ぽくのドイツ文学講義』(岩波新書)『ひとり旅は楽し』(中公新書)『遊園地の木馬』『なじみの店』『無口な友人』『池内紀の仕事場・全8巻』(みすず書房)『カフカ短篇集』『カフカ寓話集』(岩波文庫)『リヒテンベルク先生の控え帖』(平凡社ライブラリー)ゲーテ『ファウスト』(集英社)『カフカ小説全集・全6巻』(白水社)ほか。