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G・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』
李孝徳訳
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「本書を訳すことになったきっかけは、大学の授業で人種主義に触れると、日本人の学生にはなぜか分かりにくいらしいのを不思議に思ってきたことである。在日朝鮮人である私にとっては自明と言っていい人種差別の問題が、なかなか理解されないのである。というより、驚くべきことには、欧米におけるユダヤ人や黒人に対する差別だけを人種主義と考えていて、日本には人種主義がないと多くの学生が思っているのである」
(訳者解説「日本の人種主義を見すえて」より)
読みごたえのある本書の最後で拡がりと凄みを付しているのが、訳者・李孝徳さんによる解説です。「人種主義の歴史」をテーマとする本でありながら、実際にはおもに「西洋」の人種主義の歴史になっていることの「西洋中心主義」を批判するとともに、本書の実践する比較史の射程を「日本」にまで敷衍させる試みがなされています。
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「近代国民国家が不可避に持つ人種主義体制の側面を考えるとき、日本はきわめてユニークな人種主義のスペクトル――カースト制、先住民支配、海外民族国家の併合、帝国主義と植民地支配――を持つ」
(訳者解説)
そして21世紀のグローバリゼーションは、人種主義を再生産しはじめているのでしょうか。セプテンバー・イレブン以後の「アラブ嫌悪(フォビア)」。タイガー・ウッズへの度を越したバッシング。言語や生活習慣などの文化的差異を本質化する「新人種主義」による移民排除。あるいは遺伝子科学の飛躍的な発達が、従来の科学的人種主義とは次元の異なる「差異」を人間のグルーピングに持ち込む可能性……。
いまもさまざまな「人種主義の光景」がたち表れています。
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「現代社会に生きるわれわれは、決して人種主義に対して部外者であることはできない。部外者でありえない以上、人種主義に意識的であることでしか、人種主義に対抗するすべはない。その意識のあり方は、歴史から学ぶほかない」
(訳者解説)
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