みすず書房

カール・メンガー

Carl Menger

1840年、当時オーストリア領であったガリチアに生れる。弟アントンも、法学者として有名。ヴィーン、プラハで学んだ後、ジャーナリストとして活動した。1871年、近代経済理論の源泉の一つとされる『経済学原理』を公刊。翌年よりヴィーン大学での学究生活に入る。1883年、『社会科学、特に経済学の方法論研究』を著わし、シュモラーを代表とすろドイツ歴史学派経済学との"方法論争"の口火を切る。彼と彼の弟子ベーム=バヴェルク、ヴィーザーの影響下に成立した"オーストリア学派"は、現在にまでその系譜をたどることかできる。1903年、大学から退いた後は、広範な学問分野に関心を拡げながら、経済学・社会科学の再検討に向ったが、結実するにいたらなかった。1921年2月歿。翌々年、遺跡こよる『経済学原理』第2版が息子の手により刊行された。