みすず書房

アントニオ・グラムシ

Antonio Gramsci

イタリアの革命家。1891年サルディーニャ島に生まれ、トリーノ大学在学中に社会党に入党、戦時体制下における工場内生活の質的変化のうちに生産者自治社会の可能性を見てとって1919年『オルディネ・ヌオーヴォ』紙を創刊し、工場評議会運動を推進する。翌20年9月フィアットなどで工場占拠闘争を指導したのち、21年イタリア共産党の創立に参加。最高幹部のひとりとして活躍するが、26年ムッソリーニ政権の制定した国家防衛法によって逮捕され、10年余の獄中生活を強いられる。37年釈放直後に病死。ヨーロッパ革命の挫折の原因を探るべく獄中で書きつづったノートが第二次大戦後公刊され、社会主義・共産主義運動の内部においてだけでなく、広く現代社会のありように関心をよせる人々のあいだで注目をあつめて今日にいたっている。