みすず書房

スタンダール

Stendhal

1783-1842。本名アンリ・べール。スタンダールは無数に用いた偽名の一つ。数学に熱中し理工科学校入学の名目でパリに出るが受験せず。第二のモリエールを志して喜劇を試作するもうまくいかず、ナポレオン体制下の役人となる。1814年その没落と共に失職しミラノヘ行く。音楽家の伝記、イタリアの絵画史や旅行記を出版。21年パリに戻ってから『恋愛論』『ラシーヌとシェイクスピア』『ロッシーニ伝』を書く。27年処女小説『アルマンス』、30年『赤と黒』を発表。同年の七月革命によりイタリアの田舎町に領事の職を得る。退屈な生活の徒然に自伝や小説の原稿の山を築くが、どれも死後出版。38年フランス国内旅行記『ある旅行者の手記』を久しぶりに刊行。翌年の『パルムの僧院』はバルザックから激賞される。生前得たほとんど唯一の大きな反響。歿後、本人の予言通り名声にわかに高まる。