みすず書房

アントニア・ホワイト

Antonia White

1899年にロンドンに生まれる。本名はアイリーニ・ボッテイング。父親はパブリック・スクール、セント・ポール校の古典の教師で、カトリックへの改宗者であった。アントニアは9歳から15歳までをロンドン郊外の聖心修道院付属の寄宿学校で過ごした。退学後、コピー・ライターや女優、ジャーナリストなどとして活躍。結婚・離婚を三度、恋愛もいくつか、一時期は精神障害のため施設にも入るなど、起伏の多い人生を送った。1933年に出版された『五月の霜』は『迷える旅人』『砂糖の家』『ガラスの壁』とともに四部作を成し、シャーロット・ブロンテの後継者とも評価されている。『五月の霜』は、ヴイラーゴー社のモダン・クラシック・シリーズの第一巻目として出版され、その序文の中でエリザベス・ボーエンは、「少女のスクール・ストーリーのなかで、古典として残る唯一の作品」と賞讃している。ほかに30冊以上のフランス文学を翻訳、モーパッサンの『女の一生』の翻訳では賞を受けている。