みすず書房

フランツ・カフカ

Franz Kafka

1883年7月3日、オーストリア=ハンガリー帝国領プラハに生まれる。プラハ大学(法学専攻)入学。在学中は劇場や文学カフェに出入りし、マックス・ブロートら後にチェコ文学界で大きな役割を担う人物たちと知り合う。大学卒業の後、地方裁判所での一年間の研修を経て、イタリアの保険会社のプラハ支店に入社。その後半官半民の労災保険局勤めと併行して小説を書きつづけた。六冊の著作を刊行(『観察』『火夫』『変身』『判決』『流刑地にて』『田舎医者』『断食芸人』)。1924年、ウィーン郊外のキーアリングにあるサナトリウムにて咽頭結核により病死。享年四十。生前はごく限られた範囲で知られるのみだったが、死後、中断された長編『審判』『城』『失踪者』をはじめとする遺稿が友人マックス・ブロートの編集により発表され、世界的な評価をうけた。今日では20世紀の文学を代表する作家と見なされている。