みすず書房

ピエル・パオロ・パゾリーニ

Pier Paolo Pasolini

1922-1975。イタリアの映画監督・詩人・小説家。ボローニャで軍人の家に生まれる。母方の実家があるカザルサで過ごした時間も多い。ボローニャ大学卒業後、イタリア共産党に入党、中学校教師をしていたが、学校と党から追われ、母とともに1950年、ローマに移住。1956年、フェリーニ監督『カビリアの夜』の脚本を共同執筆。ヴィアレッジョ賞を受けた詩集『グラムシの遺骸』など次々に詩集を出すかたわら、『生命ある若者』などの小説で文学界を賑わす。映画『アッカトーネ』で監督となり、『奇跡の丘』『アポロンの地獄』『テオレマ』などのフィルムは一時代を画した。1975年11月1日夜から2日早朝にかけて、ローマ郊外のオスティア海岸で殺害された。没後、遺作となったフィルム『ソドムの市』が公開され、未完の小説が刊行され、伝記や研究書も相次いだ。1993年に全詩集、1998年より全集が刊行され、2022年には生誕百年を記念して展覧会やシンポジウムが開催されるなど、芸術家としての評価はますます高まっている。