みすず書房

アルチュール・ランボー

Jean Nicolas Arthur Rimbaud

(1854-1891)フランスの詩人。北フランスのシャルルヴィル市に生まれる。陸軍大尉の父が早くから家を捨てたため、厳格で敬神家の母の強い影響下で育った。早熟で模範的な優等生だったが、1870年の普仏戦争を境に生活が一変、学業を放棄して詩作に没頭する。71年秋、ヴェルレーヌの招きでパリに出、次いで二人でベルギー,ロンドンなどで同棲生活を送るが、73年7月に決裂。同年4-8月に散文詩集『地獄の季節』を、そしてその前後3-4年にわたって『イリュミナシオン』の諸作を書いた。75年頃からは文学を離れ世界各地を放浪、最後はエジプト、アビシニアで交易に従事する。91年右脚関節に腫瘍ができ、同年末マルセイユの病院で死去。類を絶した天才詩人として後世の文学に多大な影響を与えた。