みすず書房

ジョン・ラスキン

John Ruskin

英国ヴィクトリア朝の代表的な批評家。1819年、ロンドンに生まれる。1837年、オクスフォード大学クライスト・チャーチ校入学。卒業後の1843年、画家ターナーを擁護する目的で着手した『近代画家論』第1巻を刊行(全5巻、1860年完結)、美術批評家としての地歩を固める。1869-78年、オクスフォード大学スレイド記念美術講座担当教授(1883-85年再任)。『ヴェネツィアの石』(全3巻、1851-53)をはじめとする芸術批評=社会批評の著作群は後続のウィリアム・モリスやアーツ・アンド・クラフツ運動に大きな影響を与えた。1900年没。他の著書に『建築の七灯』(1849)『芸術経済論』(1857)『この最後の者にも』(1862)『胡麻と百合』(1865)『塵の倫理』(1866)『プラエテリタ』(1885-89)など。なお『ヴェネツィアの石』の邦訳としては、全訳の賀川豊彦訳(春秋社1931-32)、福田晴虔訳(中央公論美術出版1994-96)、抄訳の内藤史朗訳(法蔵館2006/続巻2017)にくわえ、1892 年にウィリアム・モリスの序文を付してケルムスコット・プレスより刊行された『ゴシックの本質』(第2巻第6章全文)の川端康雄訳(みすず書房2011)、井上義夫編訳による『ヴェネツィアの石』(みすず書房2019)がある。