みすず書房

バーニー・クラウス

Bernie Krause

1938年生まれ。ナチュラリスト、音響生態学者、ミュージシャン、音響エンジニア。ギタリストとして1963年にフォークバンド、ウィーヴァーズの新メンバーとして注目を集め、64年同バンドの解散後はポール・ビーヴァーとともに「ビーヴァー&クラウス」を結成。ポップミュージックにおけるアナログシンセサイザーの使用、特に60-70年代を通じたMoogの流行を先導したパイオニアとして知られる。『ローズマリーの赤ちゃん』『地獄の黙示録』『ボディスナッチャー/恐怖の街』などの映画の音響に携わり、『スパイ大作戦』『トワイライト・ゾーン』『奥さまは魔女』といったTVシリーズの音楽も担当した。1968年、ビーヴァー&クラウス名義の音楽アルバムのために生態環境音を録音したことがきっかけで生体音響の世界に魅せられ、やがて音響生態学の研究と普及に専念する。すでに40年以上にわたり、世界中の生態環境音を収集保存してきた彼が録りためた4500時間分もの音源(生物種数にして15000種に及ぶ)の半分以上は、現在では損なわれてしまったり消滅してしまった自然環境の音であり、アーカイヴとしても貴重なものである。著書に、The Great Animal Orchestra: Finding the Origins of Music in the World’s Wild Places (Back Bay/Little Brown/Profile, 2012)〔『野生のオーケストラが聴こえる』伊達淳訳、みすず書房、2013〕、Wild Soundscapes: Discovering the Voice of the Natural World (with companion CD) (Wilderness Press, 2002)、Into A Wild Sanctuary: A Life in Music & Natural Sound (with companion CD) (Heyday Books, 1998) ほか。著者の活動母体であるWild Sanctuaryのウェブサイト:www.wildsanctuary.com