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〈まち〉のイデア<品切>

ローマと古代世界の都市の形の人間学

THE IDEA OF A TOWN

THE ANTHROPOLOGY OF URBAN FORM IN ROME,ITALY AND THE ANCIENT WORLD


高層住宅、緑地、図書館、網の目の交通空間、現代の都市は、つねに住居と余暇と労働と交通の有機的連関という点からつくられている。だが、ブラジリアを例にとるまでもなく、機能中心の〈人工都市〉は、人間の住まう空間とは言えまい。都市とは家屋と同様、本来人間がより大きな宇宙に繋がるための手段ではないか。身体的存在としての人間は、家―都市―宇宙を貫くコスモロジーの中で、ふさわしい場を棲み家とする生物ではないか。

かつて古代人たちが、まちや都市を象徴的なパターンと考えたように、建築史家である著者は、ローマを中心に、古代世界における都市の創建を丹念に掘りおこし、人間の棲み家としての〈まち〉のイデアを探ってゆく。

著者はまず、ロームルスとレムスの兄弟争いの末、レムスが殺されたという神話に、都市の起源の本質をみることから、筆をおこす。英雄はまちの中心に埋葬され、そこから道路や境界等々、まちが作られてゆく。古代インドのマンダラや中国、ボロロ族まで引照しながら、都市創建の基礎的部分には、機能をこえて、自然のリズムと人間、神と人間など、より大きな世界への枠組が埋め込まれていることが、次第に明らかにされるのである。

フロイトやレヴィ=ストロースにも言及しつつ、都市の表層から厚く覆われた深層にせまった画期的な都市論=神話論。現代都市を考える上で不可欠な一冊である。



著訳者略歴

ジョーゼフ・リクワート
Joseph Rykwert

1926年ポーランドのワルシャワで生まれる。1939年渡英、ロンドン大学バートレット・スクール・オブ・アーキテクチャー、AAスクール・オブ・アーキテクチャーを経て、1947年から建築設計の実務につく。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
前川道郎
まえかわ・みちお

1931年、大阪に生まれる。1954年、京都大学工学部建築学科卒業。同大学院博士課程学修。京都大学教養部教授を経て、現在は九州大学工学部教授。京都大学名誉教授。工学博士。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小野育雄
おの・いくお

1955年、大分に生まれる。建築設計の実務、ローマ遊学などを経て、1990年、九州大学大学院博士課程(建築学)学修。現在は財団法人啓明社研究員。また東和大学で建築設計と建築史の講義を担当。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「〈まち〉のイデア」の画像:

〈まち〉のイデア

「〈まち〉のイデア」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/384頁
定価 7,344円(本体6,800円)
ISBN 4-622-03182-5 C3010
1991年3月22日発行
<ただいま品切です>