みすず書房

幕藩体制から立憲国家へ、近代日本の変革期最大の知識人の一人、津田真道。西周とともに幕府派遣の最初の留学生としてオランダに渡り、政治学・経済学・統計学を初めて体系的に導入し、幕府を中心にした国家構成を構想するなど、啓蒙者として果たした役割は広くかつ大きい。ここには、編者の半世紀にわたる探求の成果から、それぞれの領域の専門家の論考、同時代人による未刊の伝記草稿までが収められ、忘れられた変革期の洋学者の生涯と業績に初めて本格的な光が当てられる。

目次

津田真道の著作とその時代(大久保利謙)
津田真道の万葉歌成立の背景(桑原伸介)
オランダにおける津田真道(宮永孝)
フィッセリングの経済学と統計学(西川俊作・ステーンベーク)
フィッセリングとブルンチュリ——『泰西国法論』の歴史的位置(坂井雄吉)
津田真道の「将ち来る所の和蘭政事学の書」をめぐって(東田全義)
津田真道の歌文について(山田俊雄)
津山藩記録に見える津田真道(木村岩治)
津田真道伝記資科について(川崎勝)
津田真道伝(高畑定次郎)