みすず書房

戦争とプロパガンダ

WAR AND PROPAGANDA

判型 四六判
頁数 128頁
定価 1,650円 (本体:1,500円)
ISBN 978-4-622-03681-4
Cコード C1036
発行日 2002年2月8日
備考 現在品切
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戦争とプロパガンダ

「テロ撲滅などという恣意的なスローガンのもとに大国の身勝手な犠牲にされているアラブやイスラーム世界の民衆を、〈彼ら〉と擁護するのではなく、〈わたしたち〉と呼びかけて励ますことのできるような欧米文化人がはたして何人いただろうか。そう呼びかけながら、同じ文章の中で、テロ事件による衝撃と悲しみをニューヨーク市民として分かち合うことのできるような人物が他にいただろうか。それを可能にさせているのは、けっしてどこか一つのところに帰属することがない彼自身の在り方である。そして、ここに収めた一連の記事の中で一貫して強調されているのは、所与のものとされている〈われわれ〉と〈彼ら〉という区分のあやうさ、境界を設けることによって安堵を求めようとする衝動の愚かさと弱さである」(「訳者あとがき」より)

〈9・11〉を全体の文脈のなかにどう位置づければよいか。ニューヨーカーとして、アラブとして、知識人として、事の真相に迫った、大注目のメッセージ集。続編『戦争とプロパガンダ2——パレスチナは、いま』、『イスラエル、イラク、アメリカ——戦争とプロパガンダ3』がある。

目次

プロパガンダと戦争
集団的熱狂
反発と是正
無知の衝突
ふるい起たせるヴィジョン
危険な無自覚
イスラエルの行きづまり
「9・11」をめぐって——インタビュー
訳注
訳者あとがき