みすず書房

宇宙物理学の最前線

THE PHYSICS-ASTRONOMY FRONTIER

判型 A5判
定価 9,350円 (本体:8,500円)
ISBN 978-4-622-04084-2
Cコード C3044
発行日 1991年7月17日
備考 現在品切
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宇宙物理学の最前線

夜ごとの星空は、人間にとって想像力の尽きせぬ源泉であった。科学者たちはいま、その宇宙を壮大な実験室として、自然界の法則を検証する試みを重ねている。相対論、量子力学に導かれた物理学の理論が、天文学的観測の成果と相俟って、天体のふるまいの謎を——さらには宇宙創成のさまをも解き明かしつつある。
本書は、天文学書の常識的なスタイルで書かれた本ではない。自然界に作用する四つの力を、著者はテキストの柱に選んだ。まず、電磁波による観測が明らかにした宇宙の新しい姿が描かれる。恒星のエネルギー源や星の進化は、原子核にはたらく強い力と弱い力から説明されるだろう。宇宙の大規模構造を支配する重力に焦点を当てた部分では、ブラックホールやビッグバン宇宙についての刺激に満ちた議論が展開される。最新宇宙論のバックグラウンドのすべてが、一貫した物理学の眼差しをもって明快に整理されている。
定常宇宙モデルのほかならぬ提唱者であったフレッド・ホイルが、初期の宇宙に関する難問に現在どう立ち向かおうとしているか——その「野心的な」仮説は本書最終章にある。ビッグバンは本当にあったのだろうか。われわれは未だ解答を知らない。