物語作家の技法
よみがえる子供時代
LA INFANCIA RECUPERADA
判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-04548-9 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1992年5月21日 |
備考 | 現在品切 |
LA INFANCIA RECUPERADA
判型 | 四六判 |
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定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-04548-9 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1992年5月21日 |
備考 | 現在品切 |
なじみ深い物語とその作家たち、少年期の読書に欠かせない名前が、ここには勢ぞろいしている。スティーヴンソン「宝島」、ジュール・ヴェルヌ「地底旅行」「海底二万マイル」、コナン・ドイル「失われた世界」、H.G.ウェルズ「宇宙戦争」、トールキン「指輪物語」、ホームズとポワロ、西部劇や恐怖小説、狩猟文学、そしてボルヘス。
〈物語の番人〉と自称するスペインの哲学者サバテールは、これらの作品を分析し、その魅力の源泉を物語作家=ストーリーテラーの技法の深みから探り出す。〈小説〉が死に終わる人生の意味を考えるのに対して、〈物語〉は豊かな可能性に満ちた生に向かって開かれている。私たちも自由な主人公たちにあこがれながら、正義や友情や裏切りを学び、世の中のうさんくささを感じとったのではなかったか? 著者の想起と思索に導かれて、少年期の読書の意味、そして少年期そのものの意味が再発見される。
「文学——それはようやく取り戻された幼年期のことだ。」(バタイユ)
物語への素朴で真摯な愛を語ることから出発した著者の言葉は、科学主義とか歴史主義といったわれわれの思想の基盤に対する問い直しとなり、やがては現代文明への鋭い批判へと見事な発展を遂げていく。このような物語論はかつてなかった。