思考の心理学【新装版】

発達心理学の6研究

SIX ETUDES DE PSYCHOLOGIE

著者: ジャン・ピアジェ

訳者: 滝沢武久

判型	四六判
頁数	216頁
定価	2,860円（本体：2,600円）
ISBN	978-4-622-04969-2
Cコード	C1011
発行日	1999年11月19日
備考	現在品切

心理・精神医学心理学

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1896年生まれのジャン・ピアジェは、16歳のとき、すでに動物学の研究に稀な科学的早熟さを示している。22歳で理学博士となったこの動物学者は、やがて世界的な名声をもつ心理学者としての道を進んでいた。数学・生物学・物理学の知識に裏づけられ、実証科学、実験科学として展開されるピアジェの精力的な研究は、異例な独創性と厳密性をもって新しい認識論への道を切りひらいている。本書の第一部は児童心理学の領域での研究、第二部では発生的視点と構造的視点からの思考・言語・感情の研究が収められている。しばしば難解といわれるピアジェの心理学への最良の入門書と言えよう。

著訳者略歴

＊ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ジャン・ピアジェ

Jean Piaget

1896年スイスのニューシャテルに生れる。はじめニューシャテル大学で動物学を学ぶ。その後、チューリッヒ大学、パリ大学で心理学を学び、またルソー研究所で知能の発達心理学的研究に没頭したが、これが後に世界的名声をもつ心理学者かつ認識論学者になっていく出発点となった。子どもの精神の本質が自己中心性にあると発表して、学界に大きな反響を呼んだのは27歳の時であった。彼の発達心理学の研究業績は、新教育の理論と実践に影響を与えた。第二次大戦後、主要な関心は発生的認識に向い、著作を次々に生み出す傍ら、ジュネーヴに発生的認識論の国際的研究センターをつくり（1956）、海外の研究者と交流、研究の発展に寄与した。著書Lanaissance de l’intelligence、1936。Introduction a I’epistemologiegenetique、3巻、1949〜50多数。邦訳『構造主義』（クセジュ文庫、白水社、1970）、『知能の心理学』（みすず書房、1960）、『人間科学序説』（岩波書店、1976）ほか。

滝沢武久

たきざわ・たけひさ

1931年東京に生れる。1953年東京大学教育学部教育心理学科卒業。現在大妻女子大学教授。著書『ピアジェ理論の展開』（国土社、1992）、『話しあい、伝えあう』（金子書房、1999）。訳書ワロン『認識過程の心理学』（大月書店、1962）、ピアジェ『知能の心理学』（共訳。みすず書房、1960）、セルリエ『ピアジェ』（白水社、1975）ほか。