みすず書房

明治26年は、「内治論の乱世」から推移して、「国家の第一義は、対外的立国の基礎を確立するに在ることを深感」する対外論の勃興した時である。新聞「日本」もまた、条約厲行問題をもって伊藤内閣に迫り、発行停止の集中的な弾圧をこうむった。翌27年、日清戦争を機として、民権論と国権論の両極をはらんだ明治期の思想は、国権論へと大きく傾いた。戦争に対するリアルな眼を失わない卓抜な証言を収録。

[1970年3月初版発行]