みすず書房

若き日のラフカディオ・ハーン

YOUNG HEARN

判型 四六判
頁数 320頁
定価 3,850円 (本体:3,500円)
ISBN 978-4-622-07057-3
Cコード C1098
発行日 2003年9月25日
備考 在庫僅少
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若き日のラフカディオ・ハーン

「耳なし芳一」「むじな」——日本人なら誰もが知っている『怪談』の作者、小泉八雲ラフカディオ・ハーン。その彼が終焉の地・日本に残した足跡は容易にたどりうるものだが、前半生はこれまであいまいな点が少なくなかった。

終戦直後、占領軍の一員として日本に駐留したO・W・フロストは、ハーンの魅力にとりつかれ、アメリカに戻って研究にとりかかる。生地ギリシアほかヨーロッパ各地をめぐって親族や関係者の証言を引き出し、現地の記録を徹底的に調査。渡米後については、ことに新聞記者時代の潜入ルポ、論説、紀行文などハーンの原資料を駆使して「文学の修業時代のみならず、彼の文学がアメリカで結実していく」ありさまを克明に追跡していった。

その成果が本書であり、原著刊行(1958年)から50年近く経った現在もなお、「来日以前」を実証的にたどったものとして、その地位はゆるがない。数あるハーン伝のなかでも古典的名著といえる1冊である。

目次


第1章 ハーンの家系
第2章 おばちゃんと聖職者たち
第3章 『インクワイアラー』に携わって
第4章 『コマーシャル』探訪記者
第5章 シンシナティへの別れ
第6章 アメリカの著作家

訳者あとがき
家系図
索引