みすず書房

カウンセラーの〈こころ〉【新装版】

判型 四六判
頁数 304頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-07195-2
Cコード C1011
発行日 2006年2月20日
備考 現在品切
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カウンセラーの〈こころ〉【新装版】

心理臨床の40年から生まれた12篇。著者は、戦後アメリカの臨床心理学・カウンセリングに接して以来、カウンセラーとして、苦悩しつつあるクライエントへの援助に献身してきた。

本書はカウンセリングとは何か、カウンセラーとはどういう存在なのかを、やさしく語ったもの。カウンセリングに携わる内輪の人たちへの講演や、勉強会でのディスカッションの材料として発表したものが大半である。ここからはクライエントとの人間的なつながりの上に立ち、クライエントの人格的成熟をめざすカウンセラーの姿が浮かび上がる。自らの迷い、感情の動きをも率直に綴りながら、カウンセリングの過程を具体的な事例で明らかにする。

若き日に出会ったサリヴァンの「関与しながらの観察」の意味探究、ロジャーズの「クライエント中心療法」の日本的変容の検討も本書に深みを与えている。「カウンセラーは無用の用」「本人に最初に会う」。さりげない言葉にカウンセラーの年輪がうかがえる。また、今日問題の、カウンセリングと教育の接点を探り、青年期境界例に迫る。

目次

カウンセリングの実践の基本
カウンセリングの基礎——病者とのふれあい
カウンセリングの心
カウンセリングの要領
心理治療にかかわる諸問題——カウンセラーとクライエントの関係を中心として
カウンセリングと教育の接点——教えるということと育てるということ
   *
若い夫婦とのカウンセリング——その経過と問題点
青年期「境界例」へのアプローチ——最近出会った若いクライエントたちの例から
未解決な悲哀反応と無気力状態にある一人の父親について考えたこと
   *
私と学生相談
スーパーバイザーの機能——スーパービジョンの実践に当たって考えていること
ロジャーズ/クライエント中心療法——その本質と日本における変容

あとがき