みすず書房

〈こちらではいわゆる日本学専攻の学者とのつき合いはなるべく避けていますが、自民党といわゆる「極左」とを峻別し、何でお前達はもっと政府与党に影響力を行使しないのか、などと僕などを「批判」していたアメリカの日本学者にショックを与えただけでも、ロッキード事件が暴露されたことは良かったと思います。悪い心理とは知りながら「ザマ見ろ」という思いです。貴兄のいわれる内発的告発は、まさにそのとおりで、アメリカは、文化的多様性の背景もあって、一言では処置なしの思い上りとエゴセントリズムがありながら、他方ではまさに仮借なき内発的告発があり、その両極のダイナミズムがこの国の面白いところです〉(木下順二宛 1976年6月4日)

南原繁の死、プリンストン、バークレー滞在、ロッキード事件、長年の友人であった武田泰淳・森有正・竹内好のあいつぐ死、『戦中と戦後の間』刊行、「思想史の方法を模索して」発表など、本巻には1974‐1979年の173通を収録する。

目次

1974
小田耕一郎/西田長壽/安東仁兵衛/飯田十郎/萩原延壽/家永三郎/三谷太一郎/中村智子/池山重朗/伊藤義夫/掛川トミ子/世良晃志郎
1975
安藤仁兵衛/家永三郎/安田武/掛川トミ子/W・シャモーニ/伊藤義夫/中村智子/土井夏彦/萩原延壽/福田歓一/安西敏三/鶴見俊輔/下村寅太郎/古矢旬/小尾俊人/高木博義
1976
吉馴明子/掛川トミ子/福田歓一/萩原延壽/木下順二/松沢弘陽/小尾俊人/入江昭/橋川文三/古矢旬/志村五郎/山本博/松本三之介/東幸一郎
1977
家永三郎/木下順二/高木博義/古矢旬/小尾俊人/佐々木武/石母田正/鈴木正/林立雄/松沢弘陽/伊藤義夫/志村五郎/萩原延壽/安田武/三谷太一郎/東栄蔵/永山正昭/伊藤弥彦/世良晃志郎
1978
浜田琉司/安藤仁兵衛/木下順二/阪谷芳直/高木博義/安光公太郎/三谷太一郎/家永三郎/入江昭/宮田光雄/萩原延壽/酒井文夫/永山正昭/福田歓一/池山重朗/野村浩一/山本博/阪谷芳直/水田洋/加藤節
1979
家永三郎/安光公太郎/木下順二/高木博義/安田武/入江昭/中村智子/中瀬科子/岡義武/中村雄二郎/阪谷芳直/安東仁兵衛/萩原延壽
第2巻・関係年譜