みすず書房

スピノザ エチカ抄【新装版】

判型 四六判
頁数 320頁
定価 3,740円 (本体:3,400円)
ISBN 978-4-622-08710-6
Cコード C1010
発行日 2018年5月17日
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スピノザ エチカ抄【新装版】

スピノザは無神論者として、死後もしばらくはその名を口にするのが憚られ、著作も表立っては流布されることが難しかった。だが時を経て、レッシング、ゲーテなどのドイツの文学者が先駆けになって共感を呼び集め、さらにドイツ観念論の哲学者たちによってその哲学が議論の的になるまでの思潮は、スピノザ・ルネッサンスと呼ばれる。スピノザほど多くの人々を共感で惹きつけた哲学者はおそらくいない。ノヴァーリス、ハイネ、シェリーら詩人たち。ジョージ・エリオット、ジェイムズ・ジョイス、ボルヘスら作家たち。そして現代においては、ドゥルーズ、ネグり、レヴィナスら思想家たち。
とりわけ広く読まれる『エチカ』の、第一部「神について」、第二部「精神の自然の性と起源について」、第五部「知性の力、あるいは人間の自由について」の全体と、第三部、第四部の途中までを新たに翻訳した本書によって、幾何学の形式にしたがってスリリングに「神あるいは自然」を論証して行くスピノザの魅力に触れていただきたい。「すべて耀きのあるものは希有であるのに見合って困難である」にしても。

[初版2007年3月23日発行]

目次

第一部 神について
第二部 精神の自然の性と起源について
第三部 感情の起源と自然の性について〔抄〕
第四部 人間の奴隷状態、あるいは感情の勢力について〔抄〕
第五部 知性の力、あるいは人間の自由について

訳注
あとがき