みすず書房

ピアノ・ノート【新装版】

演奏家と聴き手のために

PIANO NOTES

判型 四六判
頁数 256頁
定価 3,850円 (本体:3,500円)
ISBN 978-4-622-08752-6
Cコード C0073
発行日 2018年10月9日
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ピアノ・ノート【新装版】

万能でパワフル、しかしもっとも誤解されているピアノという楽器。
ピアノの音はどこで作られるのか。指は細長いのが理想? 和音はなぜ人を感動させるのか。ベートーヴェンはピアノを使わずに作曲し、モーツァルトはピアノに頼りそれを恥じていた。優れた調律師は優れたピアニストより少ない。コンサート会場の聴衆の咳は何を意味するか。レコーディングで「切り貼り」を目立たなくするコツ。——軽妙なタッチの逸話でローゼンが語るのは、ピアノが19世紀のクラシック音楽を牽引し、そして衰退していった物語だ。

世界的なコンサート・ピアニスト=西洋音楽史と文学に詳しい理論家が、80歳を目前にしてその経験と知恵を結集した、味わい深く痛快なエッセイ。ここにはピアノ演奏の苦しみと歓びが、演奏家、定年でピアノを始めた人、CDでもっぱら聴く人、みんなのために書かれている。「音楽について物を書く人間で、ローゼンのような才能をもつ者は他にいない」(エドワード・サイード)

[初版2009年9月18日発行]

目次

プレリュード
第一章 身体と心
第二章 ピアノの音を聴く
第三章 ピアノという楽器と、その欠陥
第四章 音楽学校とコンクール
第五章 コンサート
第六章 レコーディング
第七章 演奏スタイルと音楽様式
ポストリュード

ローゼン・ノート——ピアニストとしてのローゼン(海藤隆吉)
訳者あとがき
ローゼン・ディスコグラフィ
索引

ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス評

あなたの本棚に、「ピアノの栄光と衰退の物語」を一冊だけ入れたいならこれだ。