みすず書房

66歳から67歳にかけての1年間(1978-79)は、サートンにはつらい年だった。パートナーとの別離、小説『総決算の時』への悪意ある酷評、乳がんの手術、ふっきれない鬱状態。しかし、「惜しみなく与える」友人たちがいて、小さな命にみちた静謐な自然があり、読書と、愛読者たちの手紙に支えられて、彼女は「あるがままの自分」を受け入れることを学ぶ。そして孤独を深めながら、ゆっくりと回復していく。
58歳時の『独り居の日記』に始まり、『70歳の日記』『74歳の日記』『82歳の日記』へと連なるなかで、本書は、自らを「回復させられるかどうか、やってみる」ために、と冒頭で決意し、再開した日記である。