みすず書房

レビュー合戦 2020 全国書店で開催

白水社・東京大学出版会・みすず書房

2020年10月22日

白水社・東京大学出版会・みすず書房の3社によるフェア企画「レビュー合戦」。過去2度ご好評をいただいたフェアをこの秋、4年ぶりに開催いたします。2020年10月下旬より順次開催予定です。

11のテーマに沿って選出された各社の一押し本を、編集者を中心に各社社員の評者が熱く論じます。
レビューは一冊のリーフレットにまとめ、全国約50店舗のフェア書店にて配布いたします。
ぜひ、お近くの開催店で、お手に取ってごらんください。

「レビュー合戦 2020」 開催書店一覧

(郵便番号順)

2020年10月下旬より順次開催予定。開催期間は書店によって異なります。
詳しくは各書店までお問い合わせください。

北海道 函館蔦屋書店 0138-47-3771
  紀伊國屋書店 札幌本店 011-231-2131
宮城 丸善 仙台アエル店 022-264-0151
東京 丸善 丸の内本店 03-5288-8881
  三省堂書店 神保町本店 03-3233-3312
  丸善 お茶の水店 03-3295-5581
  紀伊國屋書店 上智大学店 03-3238-3092
  八重洲ブックセンター本店 092-413-5401
  明正堂アトレ 上野店 03-5826-5866
  往来堂書店 03-5685-0807
  東京大学生協 本郷書籍部 03-5841-2420
  MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 03-5456-2111
  三省堂書店 成城店 03-5429-2401
  ブックファースト 新宿店 03-5339-7611
  紀伊國屋書店 新宿本店 03-3354-0131
  ジュンク堂書店 池袋本店 03-5956-6111
  ジュンク堂書店 吉祥寺店 0422-28-5333
  啓文堂書店 三鷹店 0422-79-5840
  啓文堂書店 府中本店 042-366-3151
  ジュンク堂書店 立川高島屋店 042-512-9910
  くまざわ書店 八王子店 042-625-1201
神奈川 紀伊國屋書店 横浜店 045-450-5901
  くまざわ書店 相模大野店 042-767-1285
千葉 くまざわ書店 ペリエ千葉店 043-202-2900
  丸善 津田沼店 047-470-8311
栃木 うさぎや 自治医大店 0285-44-7637
埼玉 紀伊國屋書店 さいたま新都心店 048-600-0830
長野 MARUZEN 松本店 075-251-4427
静岡 MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店 075-251-4427
愛知 三省堂書店 名古屋本店 052-566-6801
  MARUZEN 名古屋本店 052-238-0320
大阪 紀伊國屋書店 梅田本店 06-6372-5821
  ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店 06-6626-2151
京都 大垣書店 イオンモールKYOTO店 075-692-3331
  同志社大学生協書籍部 今出川店 075-251-4427
  MARUZEN 京都本店 075-253-1599
兵庫 ジュンク堂書店 三宮店 078-392-1001
島根 今井書店 グループセンター店 0852-20-8811
岡山 丸善 岡山シンフォニービル店 086-233-4640
  喜久屋書店 倉敷店 086-430-5450
広島 MARUZEN 広島店 082-504-6210
香川 宮脇書店 総本店 087-823-3152
高知 金高堂 088-822-0161
愛媛 ジュンク堂書店 松山店 089-915-0075
福岡 丸善 博多店 092-413-5401
沖縄 ジュンク堂書店 那覇店 098-860-7175

レビューの一部をご紹介

Theme 1. 他者とともに生きる
 

ウィリアム・マッカスキル『〈効果的な利他主義〉宣言!』(みすず書房)
https://www.msz.co.jp/book/detail/08742/

私たちはいま「効果的」という言葉にとても敏感だ。この予防法は、この支援活動は、この政策はほんとうに効果的なのか、という疑いをたえず抱えながら、世界各国の対応から身近な行政の一挙手一投足にまで、鋭い視線をむけている。私たち一人一人が、くまなく支援を受ける立場であるという、稀有な時間を過ごしているからだ。
効果的な利他主義とは、確かな証拠や論理に基づいて慈善活動をおこなう運動であるという。慈善活動というと個人の心情と結びつけられがちだが、この運動は、入手しうるかぎりのデータを吟味・活用し、経済学などの専門的知見をとりいれながら、「どうすればできるかぎりよいことができるのか?」という疑問をひたすら科学的に追求していくことを特徴とする。本書は、過去になされた慈善活動の検証にはじまり、支援先の選び方、個人の消費の及ぼす影響やキャリア選択等において、行為の社会的影響を最大化するための考え方や実践法を指南する。マニュアルの体裁による明快さで、世界を改善していく具体的な方法が示されるだけでなく、読後には、行為の帰結にたいする自身の意識が研ぎ澄まされていることに気づくだろう。
目下の現実はどうだろうか。首をかしげたくなるような政策が、とつぜん浮上しては実現し、炎上しては消えていくなかでは、本書の徹底的に「効果」重視で、前向きな考え方に触れることだけでも、痛快な読書だった。
(東京大学出版会 神部政文・評)

カス・ミュデ、クリストバル・ロビラ・カルトワッセル『ポピュリズム』(白水社)
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b352020.html

ポピュリズムは、需要と供給があるときに初めて力をもつ。この本で強く心に響いた箇所だ。ポピュリストという「供給者」がいるからポピュリズムが蔓延する。そう思い込んでいた。じつは「需要」すなわち人民側がうっすらと政治に期待しながら実現できないと諦めていたことや、どうしても許せない政治家への怒りにふさわしい言葉が与えられる時、ポピュリズムは台頭する。
いま、ポピュリズムがまるで敵のように書いたけれども、本書の副題にあるようにそれはこれまで「デモクラシーの友と敵」であった。友にもなる。政治を「完全な権威主義」(強い集団が決める)と「自由民主主義」(すべての人が議論して決める)を両極とする二つに分類した時、ポピュリズムは権威主義の自由化、民主制への移行にも力を貸してきた。ポピュリズムは上下左右の「ホスト」イデオロギーに寄生して自由自在に姿形を変えることができる「中心の薄弱なイデオロギー」であり、移民排斥主義者の専有物ではないと知った。
歴史的にも地理的にも多様な具体例を参照しつつ、ポピュリズムの定義から民主主義への活かし方までを記した現代政治の入門書。疫病によって政治変動が起きたことは歴史が証明している。今、政治を変えたい人にも、変えたくない人にも一読を薦めたい。
(みすず書房 河波雄大・評)

宇野重規『未来をはじめる』(東京大学出版会)
http://www.utp.or.jp/book/b372461.html

「誰でも、何でもいうことができる。だから、何をいいうるか、ではない。何をいいえないか、だ」。本書を読んで、この長田弘さんの詩を思い出しました。(「魂は」『一日の終わりの詩集』みすず書房)。
正直、「お先真っ暗」な世の中です。いいことよりも悪いことの方が多いかもしれません(歳のせいか斜陽業界のせいか……)。さらに政治や経済の本をつくっていると、ますます暗く、深刻になります。そしてそんな本で書店は溢れています。
本書では、そうした本にありがちな「人への嫌悪や憎しみといった負の感情を……煽っていく傾向」は微塵もなく、「何をいいえないか」慎重に配慮しながら政治について語っています。また、「悲観的なことを言う方が知的である」という社会的気分を思想史という視覚から見事に相対化しています。
本書はもともと高校での講義から生まれた本です。同じジャンルでは、加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)が知られますが、大人の「学び直し」の側面もひとつの特長になっています。これに対して、本書は「生き直し」を読者に提案します。そうはいっても、それは上からの押し付けではなく、「弱いつながり」への着目や「切断」のすすめといった生き方の流儀です。コロナ禍を受けてますます納得の新・幸福論です。
(白水社 竹園公一朗・評)

 

レビュー合戦2020 テーマ一覧

Theme 1. 他者とともに生きる
Theme 2. 「歴史」になるもの/ならないもの
Theme 3. 一粒から拡がる世界の歴史
Theme 4. 物語る顔、読まれる心
Theme 5. 未知とのコミュニケーション
Theme 6. 「社交」のあり方
Theme 7. 大衆から分衆へ――娯楽の変容
Theme 8. 忘れることで生まれるもの
Theme 9. 言葉はおいしい
Theme 10. Kinds of Minds
Theme 11. 身体に眠る力を呼び起こす