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トピックス

『零度のエクリチュール』

ロラン・バルト [新版]

ロラン・バルトの最初の本、『零度のエクリチュール』の翻訳が小社から刊行されたのは1971年。この本の初版がフランスで現れたのは1953年、日本で初めて紹介されたのはバルト初来日に先立つ1965年で『零度の文学』(森本和夫訳、現代思潮社)でした。
それ以来みすず書房は、バルトによる数々の単行本、そして全集に基づく『ロラン・バルト著作集』を刊行し、発言集『声のきめ』も近いうちにお目にかけられそうです。
さて今回の新版『零度のエクリチュール』では、翻訳を新たにしたこと、精妙な訳註を付したことに加えて、フランス版全集にも収められていない『コンバ』紙掲載の原論文を付録としたことを特筆させてください。これと本文を読み比べることでデビュー当時のバルトの姿が明らかになりましょう。

ところでタイトルの「よみ」について。じつは昨年から小社では奥付のいちばん下のところに表題の「よみ」を記載しております。これは読者の方々の便宜を図ってのことであるとともに、図書館などのデータベース化に際してお尋ねをいただくことが多いためでもございます。
新版は「れいどのエクリチュール」と明記してあります。1971年版においては、併録された「記号学の原理」の訳文中でこの言葉が「ゼロ度」と訳されていますから、「ゼロどのエクリチュール」と読んでいました。小社図書目録の索引をご覧いただければ「せ」の項に挙げられているのが確かめられます。
しかし国立国会図書館の蔵書目録データでは「れ」に位置しており、文頭に掲げた『零度の文学』もまた「れいど」です。後者は1999年に「ちくま学芸文庫」に入ったとき『エクリチュールの零(ゼロ)度』と改題されました。カタカナには変えなかったのですね。
零という漢字に「ゼロ」の意味はありますが「よみ」として馴染みのあるのは戦闘機の「零戦」ぐらいではないでしょうか。子供の頃に自分では「ゼロ戦」と呼んでいましたが(もちろんプラモデルのハナシ)、当時の大人が「れい戦」と発音していた記憶もうっすらとあります。

「れいど」か「ゼロど」か、『零度のエクリチュール』か『エクリチュールの零(ゼロ)度』か。そもそもバルトの言う「零度のエクリチュール」とは何か。今や文芸批評の古典となった本書を新たな目で読んでいただきたいと思っております。

若き日のロラン・バルト



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